秦野版 掲載号:2011年11月10日号

矢後勝(まさ)也(や)さん(鶴巻出身)

幻の大蝶を確認 社会

ブータンで78年ぶりに

ブータンで調査中の矢後さん(右下の写真とともに矢後さん提供)
ブータンで調査中の矢後さん(右下の写真とともに矢後さん提供)

 東京大学総合研究博物館特任助教の矢後勝也さん(40・鶴巻出身)が日本蝶類学会の調査隊副隊長として、ブータン東部の高地で”幻の大蝶”「ブータンシボリアゲハ」の姿を確認した。

 78年前に英国人探検家に発見され持ち帰られて以来、情報が途絶えていたブータンシボリアゲハ。標本も世界にわずか5匹が大英自然史博物館に保管されているのみで、生態も全く解明されていなかった。これまでヨーロッパを中心に多くの研究者がこのチョウの再発見に挑んできたが、それ以降追加の記録は一切無く誰も成功しなかったことから「世界最後の”幻の大蝶”」とされてきたという。

 昨年ブータンで現地の人にそれらしき蝶が目撃されたという情報を得た矢後さんらは、ブータン政府と半年間の交渉の末、ブータンとの共同学術調査を今年8月に決行した。

 矢後さんら日本蝶類学会のメンバーは、調査隊「ブータンシボリアゲハ調査隊」(6人)を編成。ブータン政府側のメンバーらとともに今回の調査に臨んだ。空港から車で1週間、2日間登山した先にある標高2300m前後のタシヤンツェ渓谷で1週間かけて調査を行った。そこでブータンシボリアゲハの撮影と採集に成功し、生態の一部も解明に至った。調査隊は5匹を採集し、現地に標本を残した。

 矢後さんは、自身の目で蝶を発見した瞬間を振り返って「それはもう感動。ブータンシボリアゲハは、昆虫界全体で伝説化されていた憧れの的です」と声を弾ませた。

 この再発見を機にブータンでは、この蝶を国蝶に指定し貴重な野生動植物の保全の象徴とする計画もすでにあるという。

 矢後さんは「今回の発見には、独特なヒマラヤ生物相の形成における、重要なヒントが隠されている可能性がある。研究できるサンプルなどが得られれば、今後は形態の研究と遺伝子解析からこの謎を解き明かしていきたい」とブータンでの今後の継続調査に対して意欲を見せた。

「秦野でも蝶を追いかけていた」

 秦野で過ごした幼少の頃から昆虫が大好きで、昆虫学者になることを夢見ていた矢後さん。弘法山や吾妻山で昆虫を追いかけたり、自宅で幼虫を飼育したりしていた。「蝶は環境指標。蝶を見ればその場所にどのくらい自然が残っているか分かる」とし、「秦野にはゼフィルスやオオムラサキもいた」と懐かしむ。矢後さんは「家からすぐ近くに美しく豊かな自然があった。それが秦野の良さ」と話した。
 

ブータンシボリアゲハ
ブータンシボリアゲハ

関連記事powered by weblio


運転免許ならハダジ!

普通自動車も、バイク(大型・普通)も丁寧に指導。Tポイントも進呈中!

http://www.hadano-ds.co.jp/

<PR>

秦野版のトップニュース最新6件

分娩再開向け新たな組織

秦野赤十字病院

分娩再開向け新たな組織

7月2日号

地元初ライブを開催

シンガーソングライター草山昌美さん

地元初ライブを開催

7月2日号

「秦野の雰囲気 描きたい」

全国いそじ大会出場

バレーボール秦野A

全国いそじ大会出場

6月30日号

ラオス人と畑で交流

動物愛護に音楽で一助

女性獣医師の会

動物愛護に音楽で一助

6月25日号

東光苑手作りの中華おせち料理

本格中国料理を自宅でお楽しみ頂けるよう、豪華に盛り付けました

http://www.grandhotel-kanachu.co.jp/hadano/

<PR>

秦野版の関連リンク

あっとほーむデスク

秦野版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

季節の写真展

季節の写真展

風景や動物など45点

12月8日~12月24日

秦野版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2017年12月15日号

政治の村で詳細情報発信中

お問い合わせ

外部リンク