秦野中RC 35周年記念し夕暮歌碑 桜土手古墳公園に建立
秦野中ロータリークラブ(田原猛会長・RC)が創立35周年を記念し3月24日、桜土手古墳公園に歌人・前田夕暮(ゆうぐれ)の歌碑を建立した。市内にある歌碑としては11番目となる。
前田夕暮は南矢名村(現・秦野市南矢名)に生まれ、明治から昭和にかけて活躍した自然主義の代表歌人。歌集17冊、歌論、随筆など多くの著作を発表し、近代短歌史上に革新的な足跡を残した人物だ。
秦野市は地元が生んだ歌人にちなみ、「夕暮記念こども短歌大会」などを開催しており、5年ほど前から同RCもこれに協賛を行っていた。創立35周年を迎えるにあたり記念事業について検討していたところ、今年が同様に前田夕暮生誕130年という節目にあたることを知った同RC。秦野市と相談し、歌碑を建てることに決めたという。
満開の桜が咲く晴天のもと、24日に行われた除幕式には同RCの会員のほか、内田賢司市教育委員会教育長、歌碑とする歌を選定した村岡嘉子さんらが参加。田原会長は「夕暮生誕130年と創立35周年という節目が合い、とても良い記念事業となりました。市からも非常に良い場所を提供していただき、今後、散歩コースとして回るのが楽しみです」と挨拶した。
歌碑となったのは口語自由律で書かれた『いま、つきをへた鐘が霧のなかで揺れてゐる、空すこしあをい』という歌。夕暮の揮毫が彫られている。これは夕暮が58歳の時に「詩歌」同人たちと弘法山で遊んだ感興を歌ったもので、少年時代の遊び場だった弘法山の頂から鳴り響く鐘の音に望郷の想いを詠んだものだという。この歌碑は今後、秦野市が進める「前田夕暮歌碑めぐり」に組み込まれる予定で、新たな観光スポットとして活用されるという。
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