東海大学湘南学生会会長を務める 坂井 真樹さん 南矢名在住 21歳
真っ直ぐな瞳で
○…11月1日から3日間開かれる東海大学の建学祭で学生を代表し、開会のことばを述べる。「最終日の2000発の花火が大きな見どころ。数千人の学生が模擬店や研究発表に打ち込む姿を見てください」。学内の委員会や局員を束ねつつ、後輩から「まきちゃん」と呼ばれ親しまれる。仲間との普段の何気ない会話の中から些細な不満に耳を傾け、問題の把握に努める姿勢は、名前のように真っ直ぐ、誠実だ。
○…青森県・下北半島出身。海と山に囲まれたまちでのびのびと育った。秘密基地づくり、魚の生け捕り、どんぐり拾い、缶蹴りなどをして外で遊んだ子ども時代。暇があれば、友人と下北半島を一日かけて自転車で一周した。「ゲームをしている子は周りにいませんでした。こっちの人からすると一昔前みたいに感じるかもしれないけど、毎日がとても楽しかった」。
○…故郷の海辺には海上自衛隊の基地があり、通っていた高台の中学校から、港の護衛艦を眺めるのが好きだった。学校では、クラスの子のほとんどが「自衛官の子ども」。自身の父親も音楽隊のクラリネット奏者を務めており、父の姿に憧れて中学校では吹奏楽部に入部した。父は1年の半分を海外で過ごす。護衛艦に乗り、カナダやアメリカへ行った土産話を聞きながら、「父のように、自分の好きなことを仕事にしたい」という思いは日に日に強くなっていった。
○…2年前に大学進学のため上京。将来、父と同じ音楽隊奏者になることを夢みて、同大教養学部芸術学科に入学した。音楽課程に所属し、専門はサックス。「狭き門だけど、あきらめたくない」と思いを語る。両親への負担を減らすため、週に3回鉄道会社でバイト。休日には東京の大学に進学した地元の仲間と趣味でバンドも始めた。「気付くと予定表がいっぱいになっちゃってて」。充実した学生生活の先に何があるのか。澄んだ瞳で未来を見つめる。
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