かつては大山詣の参拝者が宿泊する「御師(おし)の里」として知られ、歴史的建造物なども残る蓑毛地区に、このほど4基の灯籠が設置された。大山を中心とする観光振興事業「平成大山講プロジェクト」の一環。整備した秦野市観光課では、歴史的な特性を活かして観光振興につなげたいとしている。
秦野、厚木、伊勢原市では大山を中心とした観光振興事業「平成大山講プロジェクト」を共同で進めている。
同プロジェクトでは「癒し・スピリチュアル」「自然・眺望満喫」「歴史・自然体感」などをテーマに、大山地域を巡るルートを設定。蓑毛地区は、一帯の歴史的建造物や自然などを巡る「御師の里めぐり」としてそのひとつに定められている。
石の灯籠は、御師集落の特徴のひとつとされる。新設されたものは高さ2m強で、同地区の「御師の家」に現存する灯籠などを参考に作られた。設置場所は、自然観察施設緑水庵や蓑毛バス停の近くなど4カ所。暗くなるとセンサーで自動的に点灯し、幻想的な雰囲気を演出している。
灯籠の設置と同時に、「御師の里」の案内板も2カ所に設置された。案内版には、江戸初期に幕府の寺社統制により大山から蓑毛に移り住んだ等の御師の説明や、周辺のみどころマップが記されている。
地域住民らで地元の魅力を広く知ってもらおうと活動している「蓑毛地区活性化対策委員会」の事務局・猪股義晴さん(66)は、「蓑毛の往時の面影を残せるということで、灯籠の設置はありがたい。案内板で『御師の里』の地域をはっきり示してくれたことも、蓑毛に来ていただいた方に説明しやすくなった」と話している。
灯籠の設置の事業費は、設置費用を含めて約260万円。
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