臨済宗大聖山金剛寺(秦野市東田原1116)で10月18日、鈴木楚道住職(31)の就任の儀式である「晋山式」が行われた。
同寺は鎌倉にある建長寺派の寺で、1218(健保6)年、鎌倉幕府第3代将軍・源実朝が天蓋佛地蔵尊を同寺の開山である退耕行勇禅師に託し、この地で大聖山金剛寺と改称した。翌1219年、実朝が兄・頼家の子である公暁に暗殺され、家来の武三浦之助常晴が実朝の御首を同寺に埋葬し、同寺の開基となったとされている。首塚として木造五輪塔が建てられていたが、1250(建長2)年に石の五輪塔となり、現在に至っている。
鈴木住職は34代目にあたり、先代である祖父の後を継いだ。「はじめは後を継ごうという考えはなく、一般企業に就職していました」と話す鈴木住職。しかし祖父も高齢となり、同寺の後継ぎもいなかったという。「地元・秦野に戻ってできることはないのかと考えたとき、後を継ぐ者がいないなら、自分がやろうと思いました」と話す。
3年間、静岡県の寺で修行。その間、祖父をガンで亡くしたが、2012年に金剛寺に戻り、本山である建長寺で辞令交付の儀となる転版式を経て住職に就任した。今回の晋山式は、檀家への住職就任の正式なお披露目となる。
当日は和尚34人、檀家から140人、稚児行列に26人が参列し、盛大に行われた。稚児行列とともに道を歩いた時には、沿道の住民に多くの祝いの声をかけられたという。鈴木住職は「檀家さんあっての寺。激励いただいた期待に応えられるよう、地域のためになることができれば」と話した。
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