近年、全国的にレコードが再び注目されている。秦野市本町四ツ角近くのレコード店、マウンテンレコーズ(通称ヤマレコ、山上太一店長)にも、多くの人が訪れている。データ配信やデジタルプレイヤーが普及する今、レコードの魅力とは何か。山上店長と常連客に聞いた。
同店には、バンドの新譜から懐メロまで幅広いジャンルのレコードが並ぶ。DJやレコード好き、店長特製のカレー等を食べながら持ち込んだレコードをかける人もいる。山上店長は「レコードの魅力は、愛着の湧く大きなジャケット、足を使って探す面白さですかね。プレゼントとしても喜ばれます」。3年前のオープン当初は1日平均数枚だったレコードの売上も徐々に増え、今年は前年比の2倍ほどという。
常連客の荒井雄司さん(45)=南が丘=と大津俊夫さん(47)=桜町=はレコード全盛期に青春を過ごした世代。荒井さんは「今でも新曲のレコードを出すアーティストも多いんですよ」と、人気バンド「スピッツ」のニューアルバム『醒めない』のアナログ盤を見せる。現在は同封のURLからデータ音源を取得できる事も多いという。
レコードを初体験記者27歳
「やってみたら」と誘われて、生まれて初めてレコードを再生した。ジャケットから取り出し、ターンテーブルにセット。そっと針を落とす…。スピーカーから店内に音楽が響き、胸が高鳴った。「聴くまでのプロセスが面倒くさいからいいんです」と大津さん。時間を贅沢に使うことで、心に安らぎが生まれるようだ。
「ゆっくりとレコードを聴いていると、当時に戻れる」。そう語るのは、最近同店に通い始めた荒川政幸さん(59)=寿町=。若い頃、高価で手が出なかったものも、今なら中古で手に入りやすい。その事が背中を押してくれたという。
市内でイタリアンレストラン・トラットリアフーコを営む宅見知明さん(45)は、店内のBGMを探すため同店を訪れ、レコードの良さを再認識した。「プレーヤーが壊れてから聴ける環境がなかった。久しぶりに聴くと改めていいなあって。いつかディナータイムにレコードを流せたら」と笑顔で話した。
秦野版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|