新年の挨拶状と言えば「年賀状」。例年、その年の干支にちなんだイラストが日本郵便が発行する年賀はがきの切手部分に描かれている。このイラストを手掛けているのが、秦野市出身の切手デザイナー星山理佳(あやか)さん(日本郵便株式会社)だ。干支のイラストを担当して18年目になるという星山さんに話を聞いた。
今年の干支は「酉」。年賀はがきの切手部分のデザインは鳥の卵となっている。「よく見ていただくと分かるんですが、あるメッセージが羅列して、卵の影をつくっているんです」と星山さん。実はこうした工夫はこれまでにもあった。2年前の未年、2003年では編み物棒を手にマフラーを編んでいた羊が、2015年には12年越しに編み物を完成させており、そのイラストが話題に。その絵を手掛けたのも星山さんだ。「色々想像して楽しんでもらいたいと思っています」。今回の卵の構想も、12年前から温めていたという。
日々アンテナを立てアイデアを仕入れる
星山さんは秦野高校を卒業し、東京造形大学(東京都八王子市)に入学。大学時代は、常に仲間と学校に入りびたり「遊んでいた」そうだ。
1998年、郵政省(現・日本郵便株式会社)に入社した。他のデザイナーとともに干支のイラストを担当して18年目。自由に色を使える普通はがきや切手とは異なり、年賀はがきは「赤と白の世界」だという。そこで見た人がほっこりするような、初笑いが起きるような工夫をしたいと考え、デザインに取り組んできた。「多くの方に見ていただくというプレッシャーよりも、『楽しく』つくってきました」と星山さんは話す。
デザインのアイデアについては、どんなものが流行っているのか、皆が何に興味を持っているのかを知ろうと、日々アンテナを立てているという。大きな本屋に行ってジャンルを問わず多くの本を眺めることもそのひとつ。美術作品や写真、クラフト作品などを見に行くことも少なくない。
「山がない都会は、壁のない家のような不安を感じて落ち着きません。そのため、今でも安らぎを求めてこまめに秦野に通っています」。秦野で過ごすオフタイムが、仕事にメリハリやアイデアを与えているそうだ。「私にとってすごく大切な故郷です」と語る。
年賀状は『日本の誇る文化』という星山さん。「今後も1年に1回、皆様が心待ちにしてくれるような年賀はがきをつくっていきたいと思います」と話した。
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