市町村対抗かながわ駅伝大会に秦野市選手団として16年ぶりに選ばれた 山崎 孝寛さん 戸川在住 44歳
温厚かつ情熱のランナー
○…「選ばれたときは、喜びと同時に自分でいいのかと複雑になった」。16年ぶりに市町村対抗かながわ駅伝大会秦野市選手団に選ばれたときの感想を語る。それでも「出るからには自分ができる精いっぱいの走りをして、強い秦野を復活させたい」と意欲を見せる。
○…1972年、秦野市に2人兄妹の長男として生を受けた。家族の仲はとても良く、「家の中はいつもにぎやかだった」と笑顔で振り返る。陸上は中学1年生で始めた。しかし、順位やタイムはなかなか出せず、注目されなかった。「中学校のときは、かけっこのような感覚で、順位やタイムよりも走ることを楽しむようだった」と語る。
○…転機が訪れたのは高校1年生。かながわ駅伝大会の前身にあたる郡市対抗駅伝大会の練習会に参加したことだ。「参加していた選手たちの走りはもちろん、事前練習や取り組む姿勢のレベルの高さに愕然とした」と振り返る。練習への意識がより高まり、高校2年生の秋の大会と、高校3年生の総体で3000メートル障害に出場し、上位入賞を果たした。ここでの活躍がスカウトの目に留まり、関東学院大学からオファーが届く。
○…大学4年生のとき、第70回箱根駅伝に出場。5区の山登りを任された。1時間余りのレースだが、「あれほど全ての力を出し切ったことはなかった」と懐かしげ。「道路が壁のように感じ、本当に苦しかったが、ゴールには仲間がいる。翌日に控える復路のメンバーが待っている」との思いで区間9位の力走を見せ、芦ノ湖にたどり着いた。
○…27歳のとき、職場内で妻と知り合い、31歳で結婚。一男一女を授かった。息子は父と同じランナーの道へ。「ケンカをすることもあるけど、仲が良く、家の中は笑いがあふれている。仕事が終わって自宅に帰ると、ホッとできるんです」。ランナーとしての熱い思いの中に、父親の一面が垣間見えた。
|
|
|
|
|
|