丹沢星の会で会長を務める 石塚 雅樹さん 南矢名在住 56歳
北の大地で育んだ寛大さ
○…「モットーは自由。参加している人の邪魔をせず好きなようにしてもらいたい」。2003年に発足した丹沢星の会で発足当時から会長を務める。会員数は現在40人を越え、年代も10代から70代まで様々。東京や長野、三重といった県外、さらにはイギリス人や韓国人も会員になっている。「写真を撮りたい人もいれば、見たいだけの人もいる。太陽が好きな人、月が好きな人、オーロラが好きな人、それぞれが好きなことを会でしてもらいたい」と語る。
○…1960年、北海道羽幌町に生まれる。父は羽幌炭鉱で働く炭鉱夫だった。「冬の北海道はとにかく寒く、マイナス30度の世界が広がっている。まつ毛や自分の吐く息が凍るし、朝起きると、ふとんが口のまわりだけ自分の寝息で凍ってるんですよ」と懐かしそうに笑う。それでも「親戚が札幌に住んでいて、遊びに行っていた。家族の仲は良かった」と振り返る。羽幌炭鉱が閉山になり、炭鉱で働いていた知り合いがいたことがきっかけで神奈川にやって来た。「12月に引っ越してきたんだけど、雪がないことにびっくり」と語る。
○…大根中学校在学中に彗星を見た。クラスメイトの兄が持っていた天体に関する雑誌を見せてもらっていたが、この彗星がきっかけでより夜空に興味を持った。秦野高校では天文部に入部。卒業後は化学系の専門学校に進み、星からは一時離れたが、丹沢星の会の前身にあたる同好会に入会したことで、再び夜空を眺めるように。
○…現在ハマっていることは、藤沢にある職場で米軍機が飛ぶ姿を眺めること。「近くに厚木基地があり、会社の双眼鏡を使って見ているんです。やっぱりかっこいいですよ」とにこやかに語る。今後の夢は、20年後に日本で見ることができるという皆既日食を見ること。「それまで生きて、健康に過ごさないと」。優しい眼差しの中に天体への熱い思いを感じた。
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