秦野市名古木在住で自然観察指導員の岡田榮子さんが、タウンニュース秦野版に2008年から連載寄稿しているシリーズ「秦野の四季」をこのほど1冊の本にまとめた。タイトルを「秦野の四季〜里地里山の生きもの〜」とし、2月13日に出版。岡田さんが足を運び観察した170の動植物を紹介した本は、市内公民館や図書館などに寄贈される予定。
シリーズ「秦野の四季」は、タウンニュース秦野版で月に1、2回程のペースで掲載。岡田さんが自然観察会や散歩をしている時に見つけた植物や鳥、昆虫などを紹介している。
見た目の特徴などをわかりやすい言葉で説明するとともに、発見した時のエピソードや名前の由来、自身が感じた魅力なども柔らかな表現でまとめている。写真も添えられており、岡田さん自身が撮影したものだ。
2008年4月24日号の第1回「クサイチゴ」からスタートし、昨年2016年12月22日の「ヒヨドリジョウゴ」で第170回を迎えた。
今回、約8年半にわたり連載してきた内容を、1ページごとに1掲載分、A5サイズ191ページの本にまとめた。読んだ人が自然観察の時や調べる時に使いやすいよう、写真を大きくレイアウトし、索引を入れたという。
紙面の連載ではなかったサブタイトルも新たに記載。幼い頃にお手玉に入れて遊んだ思い出があるイネ科のジュズダマには「懐かしいお手玉の音」、体に白い模様があるコガネグモ科のシロオビトリノフンダマシには「おしゃれな白帯」など、岡田さんの感性が光るタイトルばかりだ。
表紙を飾るのは、2010年の夏に見つけたヤマユリ。サブタイトルは「このヤマユリの年齢は?」。通常ユリの花は多くても50〜60個ほどだが、発見したユリは約116個。「見つけた時は驚きました。とても強い香りが印象に残っています」と話す岡田さん。大輪が咲き誇る茎は垂れ下がり、持ち上げるとずっしりと重かったという。
制作した本は市内公民館や市立図書館、小学校などに寄贈される予定。
自然に夢中
岡田さんが自然観察を始めたのは約20年前。きっかけは俳句だった。市立本町公民館主催の講座に参加したことで、俳句によって花や鳥、虫など全てが季語になることを知り、四季折々の自然の魅力に惹かれていったという。
その後も市の自然観察施設くずはの家の観察会に参加したり、自然観察指導員養成講座を受講し知識を深めていった。2000年には、自然観察グループ「あすなろの会」を発足し、現在も代表を務める。また、日本自然保護協会の自然観察指導員として、公民館が主催する観察会などでの講師も務めている。
名古木の自宅付近には棚田が広がり、空を見上げればオオタカが飛び、庭からは富士山を眺めることができる。「身近なところから自然観察は始まりました。秦野は自然が豊かで、当初、夢中になっていったのを覚えています」と振り返る。
自然観察の時は、定規や虫眼鏡、図鑑や一眼レフを持ち歩き、「おしべはこうなっているんだ」と、じっくり観察する。「秦野の自然はまだまだ多くあります。これからも出会った自然を書き留めていきたい」と話した。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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