2月10日に開設した「村上いちご園」の園主を務める 村上 洋さん 堀山下在住 31歳
イチゴ武器に若い視点で勝負
○…「父の後を追いかけるだけでは仕方がない。一から自分のやりたいことをやろう」。およそ3年間の準備期間を経て「村上いちご園」を戸川にオープンさせた。代々続く農家生まれ、父が手掛けていたカーネーションからの転身だ。
○…堀山下で生まれ育った。西小、西中を卒業後、自身も農家を継ぐために農業高校、大学を卒業。しかし、その頃に父が他界した。これからの農業を考えたとき、秦野の活性化につながり、付加価値があるものを、と市場には出さずに、観光型の摘み取り農園とすることを決めた。新東名の秦野サービスエリア開設も視野に入れ、戸川に土地を購入。ビニールハウスには最新の環境制御装置も導入した。「農家は出かける暇もないというのが今まで。でも妻も子どももいるし、少しでも楽ができるようにしたかった」と家族経営だからこそ効率化に力を入れる。
○…初年度に育てているイチゴの種類は7種類。「お客さんが自由に食べ比べできるようにしました。ハウスの中も区切らず、うちは全開放です」と胸を張る。自由に行動してもらうことで、人気の品種が一目瞭然にわかる。消費が偏ってしまうというデメリットはあるが、一年目はとにかくチャレンジ。「意見を吸い上げてどんどん変えていく」。若者の視点で「清潔感も重要」とトイレを整備したり、白いシートを使っている。
○…若手農家によるグループ「秦友会」の会長も務め、園内に仲間の商品を一緒に置いたりもする。先日の休みには妻ともうすぐ1歳になる息子と共に伊豆へ。「イチゴ農家だと隠してイチゴ狩りしてきました」とイタズラが成功した子どものようにニヤリと笑う。ハウスの設備を手掛ける会社の人達と意見交換をしながら飲むことも。今はとにかく毎日が充実している。「今後はアジアからの外国人観光客の受け入れとかもやっていきたい」。明確なビジョンで力強く語る姿に、勢いを感じた。
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