6月24日に茅の輪くぐりと竹灯りのイベントを開く花鳥神社の総代代表 古谷 信行さん 菩提在住 69歳
できることから一歩ずつ
○…地下足袋で身軽に出かける先は、林道や神社の整備。地元の神社に人を呼ぼうと、現在は竹灯籠や茅の輪を手作りし、イベント準備に追われる。無償の仕事に精を出すのは生まれ育った故郷への思いはもちろん「アイデアを出し合って新しいことを企画するのはワクワク感がありますから」。穏やかで聡明な人柄で、仲間をまとめている。
○…菩提には古谷姓が多いこともあり、地元の人からの愛称は今も「のぶちゃん」。実家の葉タバコの出荷を手伝ったり、近所の子どもたちと里山を駆けたり…幼少期からずっと菩提で暮らしてきた。唯一秦野を離れたのは世田谷で過ごした浪人生時代。「実は70年安保闘争に参加したことがあるんです」と控えめに打ち明ける。
○…アルバイト先の日立製作所の正社員募集をきっかけに入社し、定年まで製造や施設管理を担当した。退職後は自治会活動に尽力。自治会の一組織、菩提滝の沢保存会の主要メンバーとして参道整備や看板作りに関わった。「住民の高齢化や農林業人口減少で失われてゆく遺産や風習を後世に継承しよう」と、山林から切り出した丸太や板を抱えて狭い山道を登り、滝の沢不動尊の前にベンチを製作したこともある。
○…フットワークの軽さを支えているのは、趣味のウルトラマラソン。「ゆっくり楽しんでいるだけ」というも、忙しい今も週2回のトレーニングは欠かさない。大会で出会った遠方の走り仲間に自作の干し柿や農作物を送るのもまた、生活の楽しみとなっている。
○…新東名高速道路の建設が進み、菩提は大きく変わりつつある。「市外から来た人にも菩提の山を観てもらいたい」と一昨年ボランティア団体を立ち上げ、向山林道の竹藪を整備してミツマタや紅葉を植える活動を行っている。「地域で活動する個々の団体を繋いで、点の活動を輪にしていけたらいいですね」と故郷の未来を思い、語った。
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