広さ一畳分のスペースにビルや家が建ち並び、樹木が生え、人がいる。駅はあえて「大根駅」と名付けられ、小田急線やロマンスカーが走る。約150分の1サイズの街が造られている。
このジオラマを製作したのは富士フイルム関連の会社に勤める増田鐵也さん(北矢名在住・77歳)。定年退職を控えていた頃、周りから趣味を聞かれることが増え、何か始めようと思ったのがきっかけ。電車やものづくりが好きだったこともあり、ジオラマの世界に飛び込んだ。会社では入社以来、技術職で勤務していたこともあり、『ものづくり』は得意分野。模型雑誌を参考にすることもなく全て自己流だ。「これだと思う材料が見つかった時の喜びは大きい」と笑う。
樹木は、サイズに見合った本物に見せるために植物のナンテンを使っている。実が落ちたナンテンに、小さく丸めたスポンジを付けて樹木に見せている。岩の材料には石膏を使った。アクリル塗料で色付けし濃度を調整、影を付けた。「出来るだけリアルさにこだわった。岩の質感を出すのには苦労した」
撮影の楽しみも
ジオラマの背景にあるのは秦野市の風景。増田さんは、ジオラマを作ったあとの撮影も楽しみの一つにしている。時々開かれる、ジオラマフォト撮影教室参加者に講義を行っている。ジオラマに目線を近づけ、低い体勢で撮影する。絞りなどを調整し一体化させる。映し出された絵は、まるで秦野市内の一風景と思われるほどだ。「撮影してまた楽しめるのがこのジオラマの醍醐味」と目を細め話した。
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