4月〜6月期の概況
全業種総合の業況判断D.I.は4・2を示し、前回調査(2017年1月〜3月期)に比べ9・1ポイント改善した。
これは製造業・卸売業を中心とした受注の回復とともに、一部、個人消費の持ち直しの動きがあったことが要因と見られる。これに加え、商品やメニューの見直しに伴う価格改定で仕入価格上昇分の販売価格転嫁が進んだことから、建設業以外の5業種で景況感が改善し、D.I.調査開始以来、最も高い値となった。
7月〜9月期の見通し
来期の業況判断予想は9・0ポイント悪化の▲4・8。売上額D.I.は14・7ポイント悪化の▲3・6、収益D.I.は10・5ポイント悪化の▲7・5の予想となり、小売・飲食業以外の5業種で悪化の見込みとなっている。
製造業
業況判断D.I.は前回調査比7・4ポイント改善の11・7で、景況感は3期連続改善となった。輸出関連企業を中心とした受注の持ち直しに加え、一部では試作品の量産移行や機械整備の導入に伴う生産体制強化により、約4割強の企業が前回比で売上が増加したと回答。迅速な顧客対応に向け、ITを活用した受注効率化や新たな技術開発に取り組み、販路開拓を目論む動きも見受けられる。
なお、来期の業況判断は9・5ポイント悪化の2・2と予想されている。
卸売業
業況判断D.I.は27・0で、前回調査から50・1ポイント改善と大きく伸びた。約7割の企業が販路拡大を重点経営施策とするなか、建材卸や機械部品卸を中心とした受注の回復、一部企業では新規取引先の獲得に伴う売上増加により、景況感の大幅な改善に至ったものと思われる。また、経営上の問題点として小口注文・多頻度配送の増加を挙げる企業が増えており、今後は効率的な配送と人材確保が課題となりそうだ。
来期の予想業況判断は19・3ポイント悪化の7・7となっている。
小売・飲食業
業況判断D.I.は前回調査比7・2ポイント改善の▲15・9。商品・メニューの見直しに伴う価格改定で、仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁できたことに加え、大型連休等の個人消費の持ち直しで企業マインドの改善につながった。しかし依然としてマイナス域で推移し、6業種の中でも最も厳しく、一部企業では新たなサービス展開を検討する動きも見られる。
来期の予想業況判断は横ばいの▲15・9。
サービス業
業況判断D.I.は前回調査比18・0ポイント改善の0・0。医療・介護事業の利用者増に加え、自動車整備業、クリーニング業の売上回復により、売上額や収益が改善し、業況改善に至ったと見られる。しかし慢性的な人手不足を背景に、機会損失が生じている企業も見受けられ、人材の確保と教育訓練の強化・定着化が今後の課題となるようだ。また約2割の企業が機械・設備の更改または新・増設の実施、事業所の新設を計画している。
来期の業況判断は5・8ポイント悪化の▲5・8と予想されている。
建設業
業況判断D.I.は前回調査比10・8ポイント悪化の5・0で、6業種中唯一落ち込んだ。材料・仕入価格の高止まりと共に、労務費や外注費の増加分を工事単価に転嫁できず、厳しい収益環境がうかがえる。また、約4割の企業が人材確保を今後の重点経営施策としており、深刻な人手不足も足かせとなっていることから2期連続の悪化に至ったものと推測される。一部では、適切な施工体制の確保や経営体制の強化を図る動きも見受けられた。
来期の予想業況判断は13・4ポイント悪化の▲8・4となった。
不動産業
業況判断D.I.は前回調査比5・2ポイント改善の7・9。湘南エリアを中心とした商品物件の売却に加え、一部では顧客ニーズに合わせた低価格帯の建売物件に注力する動きが見られ、2期連続の改善となっている。また、一部企業では、新たな地域の顧客層獲得に向け、事務所の移転や不動産の有効活用を検討する動きがあった。
来期の業況判断は、13・2ポイント悪化の▲5・3と予想されている。
【調査概要】
■調査時期/2017年6月上旬
■調査地域/秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数/346社
■回答企業数/335社
D.I.値とは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」「やや良い」と回答した企業の割合から、「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を引いた値。値が小さいほど業況判断は悪いということを表す。
秦野版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|