今年7月に国登録有形文化財に登録するよう文部科学省に答申された秦野市の蓑毛大日堂(蓑毛674)で8月16日、閻魔詣が開かれ、多くの人が訪れた。境内に安置されている県指定重要文化財の木造大日如来坐像、市指定重要文化財の木造五智如来坐像などが公開され、閻魔堂で十王像に囲まれ死後の世界に思いを馳せる参加者や、地獄に関する絵巻物を元にした紙芝居に見入る子どもたちの姿が見られた。今年は初めて古谷義幸市長も訪れた。
「8月16日には地獄の釜の蓋が開き、罪人が責めを免れる」という言い伝えから、かつてお盆の時期ににぎわったとされる大日堂。境内には数多くの文化財が安置されているものの、老朽化や雨漏りが見られ修復は急務だが、必要な資金はまだ集まっていない。また、建物は市指定文化財でないため制度上、市の予算は投入できず、市では「修繕の必要性は認識しているものの、ほかの文化財との兼ね合いもあり例外的に補助することはできない」としている。
そこで秦野みのげ文化の会では大日堂修復の一助になればと2014年から閻魔詣を開催。地元の人から寄付された提灯やのぼり旗の費用が、修復基金として積み立てられている。同会の田代さんは「多くの方や市長が訪れてくれたのも嬉しかった。市内の他団体とも協力しながら国の登録をきっかけにさらに修復に近づいていきたい」と話した。
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