本紙では、岡田輝彦区長に新春インタビューを実施。昨年の振り返りや青葉区の今後の課題について話を聞いた(聞き手/本紙・青葉区編集室編集長 渡部賢)
――2011年を振り返り、印象に残る出来事やイベントはありますか?
3月11日の東日本大震災は、私自身、青葉区総合庁舎で勤務中に起きた出来事であり、これまでの業務経験の中でも最も衝撃を受けた出来事でした。
福島第一原子力発電所の事故や計画停電、飲料水の確保等、我々の身近な生活に危機が訪れていることを実感し、区長、行政の職責を改めて考えさせられた一年でした。
その後も東北地方の被災地支援のために、青葉区として何かできることはないかと検討し、6月下旬に東北応援フェアを区役所1階区民ホールで開催したり、11月の区民まつりで宮城県塩竈市の物産展を設けていただいたりしました。
また、3年に一度開催されるヨコハマトリエンナーレについて、一人でも多くの青葉区民の皆様に体感していただき、青葉区からみなとみらい周辺に足を運んでいただけるように取り組んだことが印象に残っています。
――今年度の区政運営方針の進捗状況と今後の課題や解決への取り組みなどがありましたら教えてください。
今年度の区政運営方針は、住み続けたい街「青葉」を目指して、子育て支援や福祉・保健の充実、地域の安全・安心、環境をはじめとした5つの柱を掲げ、区民の皆さまのニーズに応えられるよう取り組んでまいりました。また、東日本大震災を受け、災害時の備えやいざという時の近隣とのつながりの重要性を、改めて実感する年となりました。
子育て支援については、昨年8月に「青葉区地域子育て支援拠点ラフール」が青葉台一丁目にオープンしました。先月の広報よこはま青葉区版でもご案内させていただきましたが、ここでは、未就学児のお子さんと保護者を対象に、子育て中の親子の居場所を提供するほか、子育て相談や子育て情報の提供を行うなど、地域の子育て支援の総合的な拠点となっています。
さらに新たな試みとして、保育サービスに関する相談を専門とした「保育コンシェルジュ」を区役所に配置するなど、子育ての相談を受けるとともに一時預かりや幼稚園預かりなど、多様なサービスを提供しています。
また、昨夏、節電に取り組むにあたり、区内事業所を回って、節電のご協力をお願いしたほか、区役所のエスカレータを止めるなど、区民の皆さまにもご理解・ご協力をいただきました。
今冬、来夏も節電が必要ですので、引き続き啓発活動など、市として取り組みを進めてまいります。節電の取り組みは、青葉区内6大学にもご協力をお願いしましたので、来年度もご協力をお願いしていきたいと考えています。
来年度の区政運営方針の策定にあたっては、「未来を担う子どもを安心して産み、育てるための環境づくり」、「健康・福祉を充実し、防犯・防災など身近な暮らしの安心・安全を図るまちづくり」「地域の活性化を図り、豊かで潤いのあるまちづくり」「節電等省エネの取り組みなどをはじめとした環境に配慮するまちづくり」などの柱を掲げて、この青葉区に暮らす方の多くが、「住みつづけたいまち『青葉』」を実感できるよう、魅力あるまちづくりを進めていきたいと考えています。
――東日本大震災が発生したことを受け、その後、区内で災害に対して取り組んだこと、これから取り組むことなどを教えてください。
東日本大震災発災時における青葉区災害対策本部の対応について、情報収集や広報体制、帰宅困難者対策といった視点から振り返り、見直す必要があると考えました。
そこで、区役所内に検証部会を設置し、課題を整理し、解決の方向性を取りまとめました。
9月には検証結果を基に、より実際に即した青葉区災害対策本部運営訓練を実施したほか、全職員に防災研修や参集訓練を実施して、災害対応について、意識・知識の向上を図っています。
また、帰宅困難者対策として、駅周辺にある、市が所管する帰宅困難者受入れ可能施設にランタンやアルミブランケットの備蓄を計画しているほか、停電時の誘導方法等、具体的な対策も検討しています。
――最後に、区民に向けたメッセージをお願い致します。
東日本大震災の教訓を生かし、青葉区からは災害による死者を一人も出さないという強い決意で、次の世代まで誇れる「安全で安心」のまちづくりを着実に進めていきたいと考えています。
また、節電などの取り組みで我々のライフスタイルの見直しが求められる中、地域のつながりを大切にして、暮らしやすく、生活の豊かさを実感していただけるようにしていきたいと考えています。
これからも、この街で生活する皆さまの声を良くお聞きし、「この街に住んでいて良かった」と一人でも多くの皆さまが実感していただけるようにしていきたいと思いますので、ご協力をお願いします。
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