吉野家ファームが障害者の就労支援 企業による農作業の「委託契約」は市内初
牛丼チェーン吉野家が立ち上げた農業法人「(株)吉野家ファーム神奈川」(鴨志田町・森本桂次社長)では障害者雇用に向け、4月から市内の障害者支援施設との連携を開始。鉄(くろがね)町や市内の畑では、障害者がいきいきと農作業に励んでいる。
農地拡大などで人手が不足していた同社では、4月、市の健康福祉局の紹介のもと、上永谷にある就労移行支援センター『チャレンジフィールド』と業務委託契約をスタート。同センターでは、就労を希望する知的障害者に対して2年間の生活・農業訓練を行う事業(チャレンジフィールド)を実施しており、登録者のうち数人の障害者が支援スタッフとともに、同社農地で作業を行う。同社では、「会社・障害者の双方のメリットを見出せた。障害者の社会的・経済的な支援にもつながれば」と意欲を見せる。
活躍の場広がれば
市の障害企画課就労支援係では、92年から、障害者に対して農家への就職を目的とした訓練を行う「農業就労援助事業」を実施。就職先としては個人農家が中心だったが、近年、雇用できる個人農家が少なくなってきているのが現状だという。今回市内初となる民間企業との連携に関して、市では「民間企業の活力と地域の力によって、さらに障害者の活躍の場が広がってほしい」と期待を込める。
「やりがいある」と笑顔
5月の青空の下。鉄町の畑では、黙々とタマネギの収穫を行う障害者たちの姿があった。かつての個人農家では草刈作業のみだったが、ここでは収穫・選定・袋詰めなど何でも任される。
「楽しい、やりがいがある」と、メンバーも時折はにかんだ表情。支援スタッフも「収穫の喜びを分かち合えることは、励みになるだけでなく、彼らの新たな才能を見つけるきっかけにもなる」と話している。
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