新春インタビュー 強み生かし、飛躍の年に 林市長、市政への抱負語る
2013年の幕開けに当たり、本紙では林文子横浜市長に対し恒例の新春インタビューを行った。1期目の任期が夏までとなる林市長は、13年度予算を通年予算で編成することを明言、その上で防災や子育て等の施策推進に強い意欲を示した。(聞き手/本紙・熊坂淳)
――まずは、昨年1年の振り返りをお願いします。
「12年は成果結実の年と位置付けてきました。お陰様で保育所待機児童は大幅に減り、待機児童ゼロが見えてきました。また、一昨年、国の環境未来都市に選ばれて以降、環境問題に先進的な取り組みを進めている都市という評価も広がってきていると思います。文化・観光分野では、ダンスイベントに125万人もの集客があるなど、経済効果を含め着実に成果が出ました。諸外国との交流も一層進み、国内外における横浜のプレゼンス(存在感)が高まったことを肌で感じることができました。また、”おもてなしの行政サービス”を基本に職員の意識改革を図ってきた結果『最近区役所の対応が変わった』という声を市民の皆様から聞けるようになり、大変嬉しく思っています。『中期4か年計画』の中間評価では、全46の施策・取組のうち93%が中間期での目標を概ね達成でき、手応えを感じているところです」
役所風土に変化
――1期目の任期は今夏までです。3年半余の成果や感想をお聞かせ下さい。
「私は経済界から市役所に入ってきたので、当初は文化の違いを感じました。そんな中、まずは私自身が職員の皆さんの職場を回ることが大切だと考え、おもてなしの意味や営業マインドという考え方を自分自身の言葉で伝えてきました。その結果、おもてなしの精神や職員が自分たちで考え、行動するという風土が浸透してきたように思います。政策的なことでは、女性の活躍の場をもっと作らなくてはという思いが強く、子育て環境の整備に重点的に取り組んできました。また、世界的な厳しい経済情勢の中、中小企業や商店街支援にも力を注いだほか、企業誘致にも努めてきました。私自身がトップセールスを行い、横浜を国内外に売り込んだ成果が出てきていると思っています」
予算は「通年」で編成
――13年度予算は本格的予算として組むのか、それとも次期市長のフリーハンドの部分を多く残す骨格予算で編成するのか、そのあたりはいかがでしょう。
「市政の継続性は大事です。市政を停滞させることは許されませんので、通年予算を編成していくつもりです。ただ、ここ数年は、年間の補正財源が留保できていないので、そういう意味では、財源を確保しておきたいと考えています」
防災・減災を最優先
――その13年度の重点施策をお聞かせください。
「新年度は『中期4か年計画』の最終年度、総仕上げの年です。まずは、今年3月に策定する新しい『横浜市防災計画』を踏まえた防災・減災のまちづくりを優先度の高い政策としてしっかり進めていきます。そして、未来を担う子どもたちを健やかに育てる支援策を充実させたいです。児童虐待対策を充実させると同時に、児童支援専任教諭の配置や学校カウンセラーの派遣をさらに充実させます。保育所待機児童ゼロを実現するとともに、学童保育などの就学児童の対策も進めていきたいと思っています。そして文化芸術・観光・MICEです。今年6月にはアフリカ開発会議が横浜で開催され、横浜が国際コンベンション都市としてさらに注目される重要なチャンスになります。そして、横浜の活力を生み出す都心部と都市基盤の整備です。今年3月、戸塚駅の西口再開発事業が完成します。市内西部・新横浜を東京都心部と結ぶ『神奈川東部方面線』整備も引き続き進めますし、横浜港と東名高速道路を直結させる『横浜環状北西線』の整備を前進させます。
暮らしたい街を
――最後に市民の皆さんに新春のメッセージを。
「日ごろの市政へのご支援に対し改めて感謝申し上げます。多くの人が暮らしたい、暮らして良かったと思っていただけるような街づくりに向け全力で走っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします」
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