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開腹しない子宮体がん治療 「先進医療」認可で混合診療可能に
鉄(くろがね)町にある医療法人社団緑成会 横浜総合病院(平元周院長)の婦人科が、昨年12月、厚生労働省から先進医療『腹腔鏡下子宮体がん手術』の実施施設の認可を受けた。県下では5施設目。保険診療との併用が認められる「先進医療」の実施施設となることで、同治療を受ける患者の経済的負担が軽減される。同病院の産婦人科は「認可を受けることは、患者さんの治療法の選択肢を広げられると同時に、全国的な社会貢献にもつながる」と力を込める。
「切らない」が負担を軽減
「腹腔鏡下手術」とは直径3㎜から12㎜の穴を数カ所空け、腹腔鏡(CCDカメラ)と専用の手術器具を挿入して手術を行う。最大のメリットは「開腹手術に比べ、体の負担を大幅に抑えられること。痛みの軽減、入院期間の短縮や社会復帰も早い」と同院婦人科の木林潤一郎医長は話す。開腹手術時の場合、社会復帰まで1カ月前後かかるところ、腹腔鏡下手術では1週間程度で復帰できることもあると言う。
一方で、「皮下気腫」など腹腔鏡下手術のみに起こる合併症や手術時間が開腹手術よりも長くなることがデメリットとしてあげられる。また、術者の技量に頼るところが大きく、技術習得には時間がかかる。「学会での勉強や研究などを通して内視鏡手術の技術レベルをさらに向上させること。また、技術を習得する人材育成が重要になる」と木林医長。
同院婦人科が腹腔鏡下手術を取り入れたのは約10年前。現在は日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医を含む4人が「腹腔鏡下手術」を行う。2012年の婦人科手術実施件数288件のうち、内視鏡手術は252件(腹腔鏡下手術221件)、開腹手術は7件。また、子宮全摘術件数107件のうち100件が腹腔鏡下手術での摘出となる。「見た目の傷跡も精神的な負担になる。特に女性にとっては、傷痕が残りにくいことも大きな利点となる」と言う。
保険適用に向けた社会貢献
「腹腔鏡下手術」の婦人科領域での健康保険適用は、子宮筋腫などの良性疾患に限られ、子宮体がんなどの悪性腫瘍手術の適用はされていない。日本産科婦人科学会でも『腹腔鏡下子宮体がん根治手術』の保険適用に向け、国に働きかけている。現在、同術式は将来的に保険適用するかどうかを評価する段階の「先進医療」として厚労省に認められ、認可された医療機関で手術を受ける時は、保険診療と自由診療の混合診療が認められている。
今回の認可を受け、吉田典生部長は「腹腔鏡下手術は婦人科領域でも今後主流になる術式。地域の女性の健康の先導役を担っていきたい」と力を込める。
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