横浜の街を駆ける夢(上) 30年越しのフルマラソン
横浜初の市民参加型フルマラソンとして、2015年3月に開催される「横浜マラソン2015」。赤レンガ倉庫や山下公園など横浜都心部を2万5000人が駆ける。8月24日には一般枠の受付を終了し、フルマラソンには9万7740人が申し込むなど人気の高さがうかがえる。来春へ向けて気運の高まる一大イベントだが、開催を熱望する市民の声は約30年も前から存在していた。
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「横浜の都心でフルマラソンを行い、全市的なスポーツ大会に」―。1980年に神奈川県走友会連盟などが中心となって実施した署名活動には、市民フルマラソンを熱望する声が10万以上集まった。市陸上競技協会の会長を長年務め上げ、横浜マラソンの歴史を創世記から知る陣貞夫さん(80)は「署名の呼びかけで、市民ランナーの気持ちにも火がつき、皆燃えていたよ」と懐かしむ。
しかしマラソンは公道の規制を伴い、特に交通量の多い都心部では周辺地域への影響も大きい。署名の翌年から開催に至った横浜マラソン大会でも、「フル」は実現できなかった。横浜マラソン組織委員会によると「横浜は道が狭くて迂回路がないのが特徴で、東京と比べても条件が良くなかった。30年間で道路事情が格段に良くなり、みなとみらい線の開通など代替交通手段も整備され、大きく状況は変わった」と話す。
「無事にレースを」
一方で「大会が無事に終わること、その前にまず無事にレースがスタートしてくれることを願っている」と陣さんは慎重に語る。審判員として60年もの間、市内外の大会に関わってきた中で運営の難しさを痛感し、「制限時間内に関門を通過できないと失格になるが、『走らせてほしい』というランナーを説得するのは難しい。喧嘩になったケースも」と明かす。交通規制には初開催ならではの難しさもある。横浜マラソンの発展を願うからこそ、混乱なく成功することを陣さんは強く望む。
(つづく)
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映画で学ぶ英会話4月18日 |
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