玉川学園台地区のバスダイヤ改正に尽力した 飯塚 宏さん 奈良町在住 81歳
今日も明日も「人のため」
○…高齢化が進み、公共交通機関の重要性が増している奈良町玉川学園台地区。「高齢者は車の運転ができない人も多く、公共交通がなければ外出することもままならない」。10年以上にわたりバスダイヤの改善に取り組み、9月にようやく実現。「喜んでくれる人が多くて良かった」と安堵の表情を見せるが「バス停の安全性など、まだまだ改善するべきことはある」と活動は続けるつもりだ。
○…大手商社で定年まで勤め上げ、若い頃はヨーロッパやアフリカなど、世界各地を飛び回った。初めての海外赴任地であるロンドンは、「9時から17時の労働時間が徹底されていた。時間になると、仕事が途中でも席を立つ」と笑う。日本では毎日のように残業をしていたため「カルチャーショックだった」。スペインではマラリアに感染、41度の高熱にうなされた。そんな体験も「人生で初めて意識がなくなったよ」と笑い飛ばしてしまう。
○…現在は妻と2人暮らし。自宅では、「男の料理教室」で学んだ本格的な料理で腕を振るう。「妻も喜んでくれる」と嬉しそうだ。年に2回は海外旅行に出かけるおしどり夫婦だ。仕事も含めると、これまでに足を運んだのは約60カ国。「1番印象に残っているのはニュージーランド。本当に自然が豊かだった。また行きたいね」。1回の旅行で1500枚ほど撮るという写真が、夫婦共通の趣味だ。
○…40年ほど前に奈良町に引っ越してきたが、単身赴任が多く、70歳で退職するまでは地域のことはあまり知らなかった。「自分の興味に従って動いていたら、いつの間にか」と、現在は10以上の地域活動団体に所属。忙しい毎日を送っているが、「大変だと思ったことは1度もない」という。幼少期は戦争真っ只中。「『国のために働け』と教えられたことが、『人のため』に置き換わって今に活きている」と遠くを見つめる。現在81歳。生涯「人のため」に歩み続ける。
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