青葉区制20周年を機に、郷土史の紹介DVDを制作した 籔本 隆さん つつじが丘在住 84歳
歴史を知り、まちを愛す
○…「青葉区の豊かな歴史を次世代に残したい」。数年前から温めていた思いを、節目の年に実現した。講演会や学校の授業でも使えるように全編41分にまとめ、区に寄贈。「短くまとめるのが一番大変だった。もっと伝えたいことはあるんだけど」と少し残念そう。それでも「誰に見せても恥ずかしくない。私の集大成」と、出来栄えに胸を張る。
○…16年前、区が募集していたウオーキングマップ制作メンバーに応募した。「歴史に興味があったわけではなく、時間ができたので何かしたかった」。完成したマップを手に区内を巡るうちに、「石碑とか遺跡ができた背景を知りたくなった」と郷土史に没頭。史跡をめぐり、古文書を所有する個人宅があると聞けば、直接訪ねて歩いた。最初は警戒されることもあったが「熱心に通ううちに、心を開いてくれる人もいて嬉しかった」と感謝を口にする。
○…生まれは北海道の函館市。若い頃から、興味を持ったことについては「その背景まで調べないと気がすまない性格」だった。仏教徒の家系でありながら、キリスト教に興味を持ち、さまざまな宗派の教会を巡ったこともある。妻との出会いも教会主催の行事だ。また「時代の流れに乗らないと」と、新し物好きであることを自認する。50代の頃にはいち早くコンピュータに飛びついた。まだあまり普及していなかった時代に「毎晩、夜中まで夢中でいじっていた」と、独学でプログラミングを習得。その後、勤め先でパソコンの導入を進言し、指導を買って出るほど詳しくなった。
○…縄文土器なども見つかっている青葉区。「市内でもこれだけの歴史がある区は他にない」と重要性を語る。しかし、郷土史を語れる人の高齢化が進む中「あと数年遅かったらこれだけの内容はできなかった」としみじみ。「一人でも多くの人に、地元の歴史を知って郷土愛を持ってほしい」。郷土史を語り継ごうと、今日も青葉を歩く。
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