横浜市は7月中旬、手足口病の流行が過去10年間で最大レベルと発表した。青葉区でも、小児科定点医療機関の患者報告数の平均値が3週連続で流行警報発令基準値5・0人を超え、注意を呼びかけている。
手足口病は、3日から5日の潜伏期をおいて手や足、口腔内に水泡性発疹が現れる急性ウイルス感染症。国立感染症研究所によると、4歳くらいまでの幼児を中心に、夏季をピークに流行がみられるという。
横浜市では毎週、小児医療機関94カ所を定点とし、患者数の報告を受けており、患者数を報告医療機関数で割った平均値を、患者報告数として集計している。青葉区では7カ所の医療機関が該当。この報告によると、区内では2015年第27週(6月29日〜7月5日)に5・17と警報レベルを超え、翌28週は報告のあった6機関で患者数が61人、平均値も10・17とピークに達した。第29週(7月13日〜19日)には6・0と減少したものの、依然として基準値を超えた状態が続いている。
手足口病は飛沫感染や接触感染、糞口感染で発症するが、本人の全身状態が安定していれば出席停止などの処置はとられない。青葉区医師会学校医部会の江並(えなみ)朝猛(ともたけ)会長=えなみクリニック=は「集団生活をしていれば自ずと広がっていく。幼稚園が夏休みに入ったため、患者数自体が減少したのではないか」と分析する。1週間程度で自然に治るが、まれに髄膜炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあるという。江並会長は「ごくまれだが、亡くなる可能性もゼロではない。まずは手洗いうがいなどで予防を徹底し、発症した場合、2〜3日はゆっくり休養をとることが大切」と話している。
過去10年で最多
横浜市全体でも、患者数は6月下旬頃から急激に増加。第27週には、定点あたりの患者報告数が6・28と、2年ぶりに警報発令基準値を上回った。第29週の罹患数は1300人、定点あたりでは15・85と、過去10年間で最多となり、全区で警報レベルとなった。直近5週間では1歳(25・5%)が最も多く、5歳以下の幼児が全体の89・5%を占める。市衛生研究所感染症・疫学情報課では「今後しばらく流行の継続が予想される。発熱や頭痛、嘔吐の症状がある場合は、速やかに受診を」と呼びかけている。
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