大規模災害時に遺体取り扱い業務を行う職員を対象とした研修会が1月26日に青葉公会堂で行われた。当日は講義のほか、遺体安置所で遺族に説明を行うシミュレーションも実施した。
研修会は青葉区歯科医師会と鶴見歯科医師会、青葉区役所が主催したもの。遺体の適切な身元確認や身元引受人への引き渡し、遺族に接する際の対応心得・支援を学ぶことが目的。また、業務にあたる職員自身も多大なストレスで心的外傷を負う可能性が高いことからメンタルストレスケアについても学んだ。当日はカルテと歯の治療痕を照合し、遺体の身元を特定する歯科医師のほか、区職員、警察署員、消防署員ら30人以上が参加した。
研修の講師役を務めたのは米国の組織「DMORT(ディモート)」(Disaster Mortuary Operational Response Team/災害時遺族・遺体対応派遣チーム)をモデルにした日本DMORT研究会。同研究会は2005年のJR福知山線脱線事故の対応に関わった医師らが災害医療に死亡者・遺族の視点が抜けていた反省から設立。現在は「災害死亡者家族支援チーム」と位置付け、災害現場での遺族支援や遺体を取り扱う人員の心的支援活動のほか、長期の遺族支援、研修を続けている。
遺族にどう接するか
参加者全員が参加したシミュレーションは神奈川県下で震度7以上の地震による建物の倒壊や火災を想定。子どもの焼死体を両親が確認する場面などを設定し、泣き叫ぶ遺族にどう接するか、怒りや悲しみの感情にどう向き合うか、どう寄り添っていくべきか、考えながら研修は進められた。
研修を終え、青葉区歯科医師会の藤尾昭会長は「今後も歯科医師会としてDMORTの活動に協力し、また学んでいかなければ」と話したほか、同研究会の代表で救急科専門医の吉永和正さんは「実際の現場を前に心の準備をしているか、していないかの差は大きい。研修を通じてDMORTマインドを持つ人を増やしたい」と話していた。
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