終末期に備え、最期の生き方の希望等を家族らに伝えるために書き留めるエンディングノートを、青葉区が2月に発行した。デザインは横浜美術大学=鴨志田町=の学生が協力。3月20日から区役所高齢・障害支援課や地域ケアプラザ等で区民向けに配布される予定だ。
冊子は「わたしノート 青葉区版エンディングノート」と題されたA4判全17頁。前半は、これまでの人生や今後の目標等を記入して自分を見つめ直す内容。後半は、回復の見込みがなくなった万一の時、死期が近づいていても人工呼吸器や透析、胃ろう等で延命措置を行うかどうかや、財産の内容についてなど、もしもの時に備えた情報を記入する2部構成になっている。エンディングノートの発行はこれまで、栄区や瀬谷区など市内でも一部の区で実施されているが、青葉区での発行は今回が初となる。
準備は昨年4月から行われてきた。区が着手した背景には、区内の高齢化がある。2016年3月末時点での平均年齢は43・2歳と、市内で3番目に若い青葉区だが、今後65歳以上の人口は大幅に増加。30年には高齢化率が26・9%と推計されるなど、急速な高齢化が見込まれている。
今後、認知症や寝たきりなどとなり、金銭管理が難しくなったり、意思判断できなくなったりするケースが増加するとみられ、こうした人々の権利擁護が冊子発行の目的だ。最期まで本人らしく生きていくことを考えるきっかけにしてもらうことも狙いだという。
担当した高齢・障害支援課の瀬川理恵さんは「記入により法的効力が生まれる訳ではないが、青葉区は自分で人生を切り開いた人が多い印象なので、老後も自分らしい人生を考える糸口にしてほしい」と話す。
冊子の内容は、区内地域包括支援センターの社会福祉士や市民後見人、区職員らからなる区成年後見サポートネットの会議等を重ねて決定。実際に高齢者の家族から寄せられる相談で、当事者の希望が分からず、困った事例等も参考にしている。青葉区は犬の登録件数が多いことから、ペットに関する項目も記載した。
表紙のデザインやページレイアウト、校正などは、横浜美術大学学生が協力。表紙は六鹿(むつが)沙希恵さん、中ページを押切(おしきり)咲さん(いずれも3年)が手掛けた。六鹿さんは「生活に寄り添う木立の青葉を表紙の背景にし、区の雰囲気から連想する品の良さなどをテーマにした」、押切さんは「ノートを通じて大切なことを確認し、新たな目標を見つけてもらえれば」と話す。
冊子は5000部の発行で今後、増刷も見込む。区ホームページでもダウンロードが可能になる予定だ。また、17年度中に同冊子を使った書き方講座も実施されるという。問い合わせは高齢・障害支援課【電話】045・978・2449。
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