美しが丘のケーキ店「ベルグの4月」の常盤紗季さん(22)が、神奈川県洋菓子協会作品展のジュニアの部で最優秀賞にあたる同協会会長賞を受賞した。同店からは他にも4人が各部門で入賞を果たしている。
同作品展は一般社団法人神奈川県洋菓子協会主催で毎年行われているもの。飴細工やケーキなど各部門で出品者が技を競い合う、パティシエの祭典だ。今年は6月6、7日に行われ、常盤さんは22歳以下が対象のジュニア部門の「マジパン仕上げ」で出品。自身初の入賞に「びっくりしたけど嬉しかった」と話す。
マジパンとは、アーモンドや砂糖を練ってペースト状にしたもの。粘土のような形状で、ケーキのデコレーションなどに使用される。常盤さんは「美味しそうな色合いにしたい」との思いでテーマを「パティスリー」に決定。同店のお菓子を再現しようと構想を練り、人気商品でもあるマカロンをメインにすることを思いついた。「マカロンは色がきれいで可愛らしい。マカロンタワーを中心にパティシエがいるイメージにした」。4つの人形に加え焼き菓子や自身が好きだというリスも配置し、細部まで丁寧に仕上げた。「自分が好きなものをたくさんいれたので、頑張って作れた」と話す。
一方で、思うように作れず苦労したことも。中心に置いたマカロンタワーは、指導を受ける山内敦生シェフから「もっと丸みを出したほうがいい」と指摘され、本番の2週間前に作り直したという。マジパンは湿気に弱く人形の足が壊れるアクシデントもあったが、前日までに無事完成させた。
仲間の存在が力に
制作は勤務後の夕方から始めるため、直前の時期には作業が深夜まで及ぶ日もあった。毎朝6時半に出勤し夜中まで作業するハードな日々は、ともに制作に取り組む先輩たちの存在が大きかったという。「アドバイスをしてもらいながらみんなで高め合い、いい緊張感の中で刺激をもらった」。仕事後、すぐに作業に取りかかれるようバックアップしてくれたオーナーらへの感謝も口にする。佐藤信吾取締役は「評価されて良かった。今後のお菓子作りにつなげてほしい」と話す。
常盤さんは神奈川県議会議長賞も同時受賞。秋に行われるジャパンケーキショーにも出品する予定だ。「入賞できるように工夫していきたい」と意気込みを話す。
青葉区では、同店からピエス・アーティスティック部門で池戸雅耶さん(金賞)、プティ・ガトー部門で久住望さん(金賞)、ジュニア部門で谷下瑞規さん(銅賞)が入賞。特別部門の「神奈川県産品を使った焼き菓子」では、立崎晶さんが銅賞に入ったほか、元石川町のパン店「ベッカライ徳多朗」の三浦隆平さんが金賞を受賞している。
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