今春、桐蔭学園小学校の校長、幼稚園の園長に就任した 森 朋子さん 東京都中野区在住 53歳
社会を良くする人材を
○…4月の着任時には子どもの姿はなく、通常授業に戻ったのが7月。それでも「人生観が変わる経験はなかなかできない」とコロナ禍を前向きに捉え、休校期間中に実施したオンライン授業を対面型授業と組み合わせて「ブレンド型学習」に進化させるなど教育改革の糧に変えた。変化のスピードを速める社会の中で、学校をどう進化させていくか、早くもその片鱗をうかがわせる。
○…「目立たず、成績は中くらい。勉強も全然好きじゃなかった」と笑う。公務員の家庭に生まれ、曰く「普通の子ども」。だが、良い大学に行って、良い会社に就職する、と一直線な日本の雰囲気が窮屈で、高校卒業後はドイツの大学で哲学を専攻。帰国後は自身が感じた窮屈さへの興味から教育学を学び、研究者としてフィールドワークを重ねてきた。理論と現場の融合に「楽しみだけど、責任の重さも感じる」と気を引き締める。
○…大学生の娘と高校生の息子を持つお母さん。「帰ったら、がーっと夕食を作って、洗濯物を畳んで」と笑う。子どもの「したい」気持ちだけは止めないようにしてきたと話すが、それ以外は「教育も普通です」。夫は同じく研究者で、物理化学が専門。文系と理系で考え方は正反対だが、互いに良い影響を与え合う関係なのだとか。大の犬好きで保護犬に興味を持ち、今は引き取ったボーダーコリーが大切な家族。実は、読み聞かせの相手になる「読書犬」を学校内に配置できないか思案中だという。
○…「スーパースターではなく、社会を良くしていく人を育てたい」。だからこそ子どもに考えさせることに重きを置く。その時々でベストを尽くすのがモットーで「20年後、子どもたちに責任を持って説明できる教育をしたいですね」。
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