舞台撮影を手がける「港北テレビ」(代表/伊藤幸晴さん)は、無観客コンサート「Stay with Music ヨコハマ」を企画した。コロナ禍で発表の場を失ったアーティストを援助し、視聴者にも元気を届けるのが狙い。青葉公会堂で撮影し、公開はクリスマスを予定。伊藤さんは「音楽を聴いて楽しい年末を過ごしてほしい」と話す。
裏方と作る舞台
企画のきっかけは6月頃。アーティストがコロナで活動に困窮している状況を知った伊藤さんが、川崎市で動画配信の「Stay with Musicカワサキ」を実施した。60人ほどの音楽家が自宅から参加した動画は好評で、一定の成果を見せた。一方「同じく厳しい状況にある、音響や照明などいわゆる裏方さんは参加できない」という課題も。そこで「彼らも巻き込めるように、舞台を使いたい」とコンサートを企画。横浜市の芸術活動支援策「横浜映像配信支援プロジェクト」の補助を受け、今回の無観客コンサートの開催を実現した。
撮影の舞台は青葉公会堂。横浜・川崎を中心に活動を行っている6組のアーティストがパフォーマンスを披露する。映像の撮影は11月10日に行われ、それらを編集したものが12月25日、動画配信サイトYouTubeで公開される。
逆境も逆手に
「無観客のステージで撮影を行い、それを公開するというのは、40年以上映像の仕事に関わっているが初めての体験」と話すのは撮影班を束ねる杉山浩文さん。中でも課題となったのが”ライブの熱量”だった。「目の前に観客はいないしリアルタイムでもない。時間も空間も共有できない中で、アーティストが最高のパフォーマンスを発揮できるのか」と悩んだ。
そこで考えたのが、無観客ならではの演出。「通常のライブに近づけようとしても、やっぱり生の有観客には及ばない」と状況を逆手に取り、通常は持ち込めない特殊機材や、ステージの上下でクレーンやレールを使った撮影スタイルを考案した。「これまでに見たことがない体験を視聴者に届けられるはず。また、斬新な環境を用意することで、アーティストにも刺激になり、より良い演奏を引き出せるのでは」と杉山さん。
さらにカメラのレンズもライブの撮影では珍しいという一眼レフタイプを使用。高画質で立体感のある映像に仕上がるという。カメラマンにとっては撮影難度は上がるというが、「我々撮影陣にとっても挑戦。自分の人生でトップ5に入るような映像を作りたい」と意気込みを口にした。
自身もコロナ禍で活動が制限されていた伊藤さん。「この一年は誰もが大変だったと思う。それらを忘れて楽しめる束の間のひと時を届けたい」と笑顔を見せた。
|
<PR>
青葉区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
映画で学ぶ英会話4月18日 |
|
<PR>