青葉区奈良在住の友禅師、清水雄一さん(55)=左写真=が、中区のシルク博物館で開催中の「第26回全国染織作品展」で最高位の賞を受賞した。優雅に舞う蝶を細やかな友禅の技法で表現した染訪問着に審査員の評価も高く、清水さんは「ぜひ多くの方に友禅の美しさを感じてもらえたら」と話している。
同作品展は2年に1度開催され、全国から絹を素材とした染織作品を公募するもの。染織に限った公募展は全国でもこの作品展のみで、今回は着物類や着尺、帯など126件の応募があった。そして、人間国宝の森口邦彦氏らの鑑査、審査を経て、清水さんの作品『飛翔』が最高位にあたる「シルク博物館大賞」に選ばれた。
『飛翔』は赤紫がかった鼠色の地に、南国の貴婦人と呼ばれる蝶、オオゴマダラたちが優雅に舞う。友禅の特徴である糸目糊を使って模様の輪郭をなぞり、隣り合う色が混ざらないよう防染し、蝶の羽の細かい部分まで絵画のように染め描かれている。審査員からは「幻想的な世界がオーソドックスな友禅の技法に支えられて力強く表現され、異次元空間に誘う役目を負うという友禅訪問着の秀作」と評価された。
清水さんが手掛ける東京友禅は、京友禅、加賀友禅と並び、三大友禅の一つとして知られる。木下冬彦氏に師事し、2003年に独立。以来、自宅にアトリエを構えて制作する清水さん。同作品展には5回目の出品で初の大賞受賞に「信じられなかった」とはにかむが、「ぜひ作品を多くの人に見てもらいたい。これからも100年後に残るような着物を作っていきたい」と喜びを語った。同作品展は11月28日(日)まで開催。清水さんの作品を含む入選作品73点が展示されている。
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