核兵器廃絶や平和な世界の実現を目指して活動する高校生の署名活動が7月29、30、31日に桜木町駅前で行われた。神奈川県から唯一「高校生平和大使」に選ばれた青葉区在住でフェリス女学院高校=中区=2年の萩有彩さん(16)は「核の問題に無関心な自分たちの世代に考えてほしい」と訴え、8月中旬に訪れるスイス・ジュネーブの国連軍縮本部に届けるための署名を集めた。
「高校生平和大使」は、全国の平和活動団体が1998年から国連に派遣しているもの。神奈川県では、県立高校の教職員らによる派遣委員会が2005年から生徒を送り、署名集めなどを通して核廃絶を訴える。今年は全国で23人の大使が選ばれた。
被ばく者の話を聞ける最後の世代
萩さんは、昨年、同じ高校の先輩が平和大使として活動していたのを見て存在を知った。今年2月、高校の研修旅行で広島を訪れ、被ばく者の体験談を聞く予定だったが、証言者の体調不良で実現しなかった。「私たちは当事者の話を聞ける最後の世代だと思っている。これでいいのかと危機感を持った」という。
「考える責任がある」
核兵器を持つロシア、保有していると言われるイスラエルが戦争状態にある今、萩さんは「核兵器はなくせないという諦めや無力感があるのでは」と危惧している。「自分たちの世代が核廃絶や平和について考える責任がある」と語り、危機感を隠さない。
31日は大雨の中、桜木町駅前で活動。萩さんと平和大使に応募した2人の高校生がマイクで訴え続けた。活動中、署名用紙を持って立つ萩さんに「高校生がこんなことをやっても意味がない」と心ない言葉をぶつける男性もいた。それでも約1時間駅前に立ち、活動を知った高校の管弦楽部の後輩が署名に訪れた際は笑顔を見せた。
「署名の数は決して多くないけれど、私たちの存在を知ってもらえれば」と話し、若い世代にアピールするためにインスタグラム(@kngw_peace2024)での発信に力を入れる。
平和大使は8月18日に日本を出発し、20日に署名を提出する予定。萩さんは「唯一の被爆国であることを忘れないでほしい」とスイスでも自らの核廃絶、平和への思いを訴えるつもりだ。
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