横浜市教育委員会が教員による性犯罪事件の公判に職員を動員していた問題で、支給された交通費や給与を市へ返還することを求めて市民が行った住民監査請求について、市監査委員が「出張命令は違法ではあるものの、重大かつ明白な瑕疵があるとまでは言えない」と棄却した監査結果が8月5日に公表された。
この問題を巡っては、市民から「動員は本来の業務ではなく、地方公務員法に反する」として、交通費や給与の返還を求める住民監査請求が3件出ていた。今回公表された監査結果はこのうちの2件に対するもの。
監査結果では職員の動員について、公判で被害児童生徒の名前や学校名が明らかにされなかったことなどを踏まえ「合理的な必要性があったとは言えない」とした。出張命令は違法としたが、「瑕疵があるとまでは言えない」とし、職員が交通費や給与を受け取ったことは「不当な財務会計上の行為に該当するとは言えない」と結論付け、請求を棄却した。
市教委の資料提出遅れに「反省を求める」
2件の請求は6月に受け付けられ、7月に陳述があったが、市教委は第三者の弁護士チームによる検証が進んでいることを理由に陳述までに監査委員から求められた資料を提出しなかった。結果的に監査結果を出す期限の直前となる7月26日に検証報告書が出され、その直後に市教委から資料が提出された。監査結果の中では「意見」として「監査委員が余裕のない中で判断せざるを得ない状況につながり、監査過程に重大な影響を与えたと言わざるを得ず、大いに反省を求めます」と厳しく指摘した。
弁護士チームは、交通費の返還義務はないとの見解を示したが、旅費相当額の12万7622円を当時の教育長らが自主的に返納している。
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