コラム「学校と社会をつなぎ直す」㊲ ラグビー部の活躍を学園の教育へ 桐蔭学園理事長 溝上慎一
おかげさまで本学園の高校ラグビーが花園で二連覇を遂げた。五度目の全国優勝である。多くの方から応援をいただき、お祝いのメッセージも頂戴した。この場を借りて厚くお礼を申し上げる。
昨年の全国優勝したチームはスター選手ぞろいであった。それですぐさま全国優勝できるほど甘い世界ではないものの、優勝してみれば、やはりスター選手がそろっていてこその結果であったと評される。しかし、今年のチームにはスター選手が少なく、今年の前半期の試合では強豪校に惜敗の成績が続いた。彼らは年度後半にかけて強いチームになったのである。花園で決勝戦を応援したが、身内ながら「圧倒的だな」と感嘆した。
監督、コーチがチームを強くする練習の戦略はいくつもある。技術や体づくりなどの基礎トレを充実させることは、強豪校ならどこでも怠らない。しかし、それではトップオブトップの世界では差はつかない。監督らが時間をかけて育てているのは対話の力である。どのような力を向上させるか、ある場面でどう対処し、誰がどう動くかということ等が生徒主体で徹底的に議論される。昨年の決勝戦前は、翌日の試合に響くからもうそれくらいでやめろと監督が止めたほどであったと聞く。学園の理事長としてはこれをラグビー部の美談に終わらせず、全学園の子ども生徒の教育・指導に活かしていきたい。
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