県立四季の森公園で4月末まで開催中の「クモの彩糸写真展」の出展者 金子 秋夫さん 中山町在住 67歳
自然愛する”四季の森の主”
○…四季の森公園を散策していた3、4年前、クモの巣が一瞬光り輝いたのがふと目に止まった。「どうにかして撮ってやろう」と心の中でつぶやいた。それからというもの、マイクロレンズと独学で磨き上げた技量を頼りにカメラのファインダーを覗き続けた。「光の反射で光るのは本当にわずかな時間なんだよ」。公園での写真展開催は氷を題材にした昨年に続いての第2弾。共通しているのは不思議な光の世界を表現したという点だ。
○…産まれも育ちも中山。子どもの頃は周辺に多く残っていた野山を駆け巡り、釣りやベーゴマ、竹を加工して作った竹馬などで遊んだことを思い返す。「四季の森公園には子どものころを思い出すような自然が残っていて嬉しい」。自宅は数年前まで祖父母の代に始めた金子酒店を営んでいた。「配達はスピードが命」と自身が考える1番のサービスを語る。地域での長年の信頼をもとに、中山駅周辺の発展を見守ってきた。
○…新婚旅行前に初めて購入したフィルムカメラを四季の森公園ができた昭和63年、再び手に持った。花や鳥などを中心に「きれいだ」と感じたものを被写体に撮影するようになり、20年以上続く本格的な趣味となった。今では午前中は撮影、夕方は散歩にと1日2度園を訪れている。「公園の主だね」と、日焼けした顔で笑う。父親が亡くなる数年前の春、家族で公園へ花見に出かけた時、父親の優しい表情を写した1枚は「忘れられない写真」。
○…写真展の会場に置いてあるノートを見るのも期間中の楽しみの一つ。そこには”クモの巣博士だ””次回も楽しみ”など自身を称える言葉の数々が書き込まれている。「プレッシャーになるね」と話しながらもどこか嬉しそう。自然豊かな公園が身近にあることに日々感謝の気持ちを忘れない。「体が動くうちは公園に行く」。今後も独自の視点で身近な自然を撮り続けていく。
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