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いじめと向き合う(上) 深夜に響く電話相談

掲載号:2014年5月29日号

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 横浜市は4月1日、学校や市教委、児童相談所、警察などが連携し、いじめの早期発見と早期対策を行う「いじめ問題対策連絡協議会」等を設ける条例を施行した。市の取り組みが活発化する中、民間にも、いじめの被害者の居場所づくりや相談を受ける団体が存在する。いじめを取りまく環境を追った。

 文部科学省は3月31日、2012年度に全国の小・中・高で起きたいじめの認知件数を19万8109人と公表した。またいじめが原因で自殺した児童生徒数は、学校からの報告によれば6人に上ったとしている。

 横浜国立大学でいじめ問題を研究する犬塚文雄教授は、いじめを受ける子どもが、周囲に相談しづらい状況にあることを指摘する。「『先生に助けを求めるダメなやつ』と思われたくない自尊心や、親の期待を裏切りたくないという気持ちが、SOSの発信にブレーキをかけてしまう」

 犬塚教授はこうした心理を踏まえ「自尊心を傷つけない場所を確保することが課題」と話す。親や教師とは違う存在が心のケアに必要になることもあるという。

 そうした存在の一つに、市教育委員会が備える24時間対応の「いじめ110番」(【フリーダイヤル】0120・671・388)がある。ここでは常時、2人以上の相談員が応対。12年度には、いじめが原因の相談が439件あり、最近ではネット上のいじめの相談が目立つという。

 子どもから電話が来るピークの時間帯は深夜。「親の目を離れ、一人になれたときに相談する傾向にある」と男性相談員は話す。

 相談員が重視するのは、本人が何を望むのかを聞き取りながら「一緒に考える」こと。「ああしなさい、こうしなさいというアドバイスは、自尊心を傷つけることもある」。電話を通して「頑張ってみよう」と勇気を持ってもらうことが、相談員の一つの目標だ。

 「またいつでも電話して」。最後は必ずこの言葉で終わる。「どんなときでも相談を聞くという気持ちを表すことで、子どもに安心してもらいたい」

――続く

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