5月に「春の演奏会」を行う緑区三曲協会の会長を務める 村田 祥子さん 中山町在住 67歳
自分なりの音色求めて
○…箏(こと)や三絃(三味線)、尺八の合奏を意味する「三曲」。名取や師範など、職格者で構成される緑区三曲協会の会長を務めて6年、「春の演奏会」の開催を間近に控える。自身はもちろん、普段稽古をつける弟子も出演する。「みんな一生懸命練習している。大勢の方が来てくれるので、とにかく今は演奏会が無事に終わることを願っている」と、穏やかな笑顔で語る。
○…母に勧められ、小学生のころに箏、18歳の時には三味線を始めた。箏歴は約60年、三味線歴も約50年に及ぶ。箏は始めるまで聞いたこともなかったが、「割と(性に)合った。一回始めると、途中でやめるのは嫌いなの」と語る。これほど続けてこれたのは「音色」に理由があるという。「同じ楽器でも弾く人によって音色が違う。自分なりの音色を追及したい」。今でも弾き方や糸、爪を変えるなどの試行錯誤が続く。「これでいいという満足感はない。常に『次は次は』と思ってやっている」
○…中山生まれの中山育ち。「田んぼが多かった。川をせき止めて魚を捕ったり、夏はカエルがうるさくて寝られないこともあったわ」と幼少時の記憶を辿る。親族のほとんどが教育者という環境で育ったため、自然と同じ道を目指したが、「なりそこなったので、お箏の先生になった」と苦笑いする。それでも血は争えず、箏の師匠として自宅以外にも旧省庁や大手銀行などでも指導を行ってきた。
○…切手収集が趣味で、こちらも小学生以来約60年間続けている。「5円、10円のを、1・2枚ずつ買ってもらっていた」と振り返る。今も毎月新しい切手の購入を続け、「何枚あるかはわからない。たまに、整理をしながらニヤニヤと眺めている」と笑う。箏や三味線の練習、趣味と多忙な日々。演奏会に向け、合奏の練習にも余念がない。「1人で弾くより、合奏の方が楽しい。息があった時はもちろん、休憩の時のおしゃべりも」。笑顔が弾けた。
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