緑区版 掲載号:2015年8月27日号
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地域医療「全員で支える」 〜来たる「大介護時代」に備える

社会

 緑区内の医師で構成される「緑区医師会」。地域医療の最前線を担う会員の代表がこれからの地域医療の在り方や課題について意見を交わした。キーワードとなったのは「超高齢社会」。地域で支え合う仕組みをどう作っていくか。熱い思いが溢れた。

 ―休日急患診療や検診など行政と連携し様々な取り組みを行っていると聞きました。

 白井―医師会は会員である医師たちが地域に貢献しなければならない団体でもあります。地域医療の充実を掲げ、診療の合間や休日などに協力して活動しています。

 ―検診ではまず担当の医師が診断を行った後、複数の医師が集まり、より慎重な見立てを行っているそうですね。

 池田―判断が難しいケースなどでは先生方がそれぞれの診療後に集まり、熱心に意見を交わす光景が繰り広げられています。あまり知られていないことですが。

検診は病気を未然に防ぎ、健康寿命を伸ばすという観点からも非常に重要だと考えます。そして、これは地元の医師と患者さんとの最初の接点。「かかりつけ医」という言葉をご存知ですか?これからの地域医療を考えていく上で、この「かかりつけ医」がとても重要な意味をもってきます。

 ―どのように?

 古井―日本は「超高齢化社会」に突入し、2025年にはいわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となります。2050年には「1人の若者が1人の高齢者を支える」状況に。老々介護の問題も深刻です。高齢になればなるほど重度の疾患を複数抱える人が増え、医療は「質の変化」を問われるでしょう。

 白井―現在、病床機能報告制度に基づき、病院を4つの医療機能に分ける方向に進んでいます。これにより、回復期、慢性期などの在宅に繋がる医療を確保しようとしていますが、整備には時間がかかる。現状は、多くの方が「家で看る」=在宅医療という選択肢をとっていくことになると思います。

 池田―昔なら入院していた方も、どんどん在宅で支えるという状況になっていきます。ご本人もさることながら、ご家族の負担も大きい。そこで「地域で支える仕組み」が必要になるわけです。

 ―緑区では何がどこまで進んでいるのですか?

 白井―緑区は今年1月、緑区医師会訪問看護ステーション内に『緑区在宅医療相談室』を開設しました。これは横浜市が全市で取り組む事業の一環です。緑区は西区などに次いで市内で3番目の開設となりました。相談室では利用者が望む生活に近づけられるよう様々な機関やサービスに橋渡しを行っています。

 大迫―在宅医療に関する相談窓口の設置については、全国の自治体で進められているところですが、行政が医師会とタッグを組んで行う取り組みは「横浜モデル」として注目を集めています。

 古井―緑区では数年前から医師や歯科医師、薬剤師、看護師に加え、理学療法士、ケアマネジャー、ヘルパーなど様々な職種の連携を模索してきました。この『多職種連携』を早い時期から検討し、各機関が情報交換を行っていたことがうまく機能したと言えます。

 ―窓口開設から約半年がたち、見えてきた課題などはありますか?

 池田―相談室では利用者が望む生活に近づけられるよう様々な機関やサービスに橋渡しを行うのですが、いざ介護が必要になると皆さん思いがまとまらず、またご家族の意見などと食い違うケースも出てきます。認知症などが加わると更に意思確認が困難になるケースも。将来に備え、健康なうちにいかに情報収集し、イメージを定めておくことが大事なのですが、そこら辺の啓発はまだまだこれから取り組むべき課題です。

 大迫―横浜市内の高齢者のうち、介護認定を受けている方は16・7%です(2014年4月現在)。意外と少ない印象ですね。今後、この割合が増えてくるということは統計的に言われている事ですが、ご自身の事としてとらえている方はとても少ない。私たちの課題としては、今現在介護などが必要でない方々に、将来について考える機会をいかに働きかけ、つくっていけるかになろうかと思います。

 ―そのために取り組んでいることはありますか?

 大迫―現在は健康寿命を伸ばすことを目的に、地元の医師らが登壇し様々な疾患について話をする「医療講座」や、介護についてテーマを設けて話し合う「カフェ」などを定期的に開催しています。地元の医師やケアマネジャー、看護師などと交流できる機会として参加者も少しずつ増えてきています。

 古井―大切なのは地域の医療や介護相談の窓口と「接点」を持っていくことだと思います。先ほど「かかりつけ医」の重要性が話題に上りましたが、若い時からそうした心構えで医師と接してくださる方が増えるといいなと思っています。

 白井―長い間診させていただいている患者さんの変化にはこちらも気が付きやすい。実際に「認知症」の症状が出ているのを診療中に発見し、関係機関に協力を仰いだ事もあります。特にお1人で暮らしている方などは症状にも気が付きにくいですから。診療を通じ高齢化のスピードを日々肌で感じている先生も少なくないと思います。

 古井―地域医療のこれからを考える上で、「顏の見える関係」をいかに地域で作っていくかが重要になってきます。私たち医師も医師会の活動などを通じ、地域の方々と一緒に考えていかなくてはと思います。

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