地域ケアプラザや福祉の場でコーヒーを淹れる「コーヒーボランティア」を養成しようという取り組みが鴨居地域ケアプラザで始まっている。講師を務めるのは珈琲業界に携わり50年の宮下孝栄さん。ひと味違う”本格珈琲”で福祉の場に会話を創出したいという。
宮下孝栄さんは大学卒業後、まだ缶コーヒーがなかった時代に大手食品会社に就職。コーヒーを市場で戦える商品にするべく営業やマーケティングなどに携わってきた。「初めてコーヒーに出会ったのは大学時代。東京五輪の選手村でのアルバイトがきっかけだった」と話す。
以来、その道一筋に勤め上げ、数年前に定年退職。それを機に大量生産される商品としてのコーヒーから、「丁寧に淹れる一杯」に重心を置き、各地区センターなどで「コーヒーの淹れ方教室」を実施。コーヒーの魅力を発信してきた。
コーヒー教室の開催をきっかけに地区センターやケアプラザなど様々な機関との接点ができた宮下さんは、ある日、利用者などにお茶を出す「お茶出しボランティア」の存在を知る。「見ると皆さんインスタントコーヒーを自信なさげに淹れている。ここで美味しいコーヒーが淹れられるようになれば、施設を利用する人もより笑顔になれるのではないかという話になった」と宮下さん。青葉区の地域ケアプラザのスタッフらと話し合い、コーヒーボランティア講座の第1回を開催するに至った。
「心和む時間必要」
宮下さんのコーヒーの淹れ方は「家庭でできる」という点がポイント。電気ケトルと簡単な用具があれば3分30秒で美味しいコーヒーが淹れられるという。
「美味しいコーヒーは会話を生む。福祉の現場では特に心和む時間が必要だと感じている。コーヒーがそのお手伝いとなれば」と話す宮下さんは、コーヒーを仲立ちとした地域活動を展開。緑区でも主旨に賛同した区役所職員、社会福祉協議会などの紹介等により、来年1月から鴨居地域ケアプラザでの講座開催が決まっている。「コーヒーを淹れるというボランティアに興味のある人、コーヒーの豆知識を知りたい人はぜひ参加してみて」と宮下さん。同地域ケアプラザでは「美味しいコーヒーをきっかけにまた新しい『人の輪』ができれば。男性のボランティアも増えればと思っている」と話している。
「コーヒーボランティア講座」▽会場=鴨居地域ケアプラザ▽対象=講座終了後にケアプラザや地域でボランティアができる人(全日程参加できる人)▽日時=1月16日・30日・2月10日・13日・26日の午後1時半から3時半(全5回)▽受付=先着順・定員(12人)に達し次第締め切る▽受講料=200円▽持ち物=マイカップ/詳細は(【電話】045・930・1122)。
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