障がい者とともに区内の地産地消マップづくりを行った 高崎 明さん NPO法人「ぷかぷか」理事長 66歳
「予想外の人生」を楽しむ
○…「ぷかぷかのメンバーは僕の予想を超えるデザインをしてくれた。このマップをたくさんの人に見てもらえたら嬉しい」と笑みを見せる。マップは区民祭りで農産物の地産地消を行う飲食店を紹介するために作られたが、好評価を受け、今後区内のイベントで展示されることが決まった。「アートというのは描いた人の心が反映される。マップを通して彼らの素直な感性が伝わってほしいですね」
○…「障がいのある人とはいっしょに生きた方がいいよ」。自身のモットーはこの言葉に集約される。ぷかぷかでは障がい者が社会で”楽しく”生活するために、交流の場を積極的に設けている。障がい者と共に働く場として開所した「ぷかぷかパン」は当初、周囲の理解を得ることに苦労したこともあったが、今では区役所の直売コーナーを任されるほどに。「障がいを理解しない人が彼らの生きづらい環境を作っている。そうしたイメージを払拭したい」と熱を込める。
○…大学卒業後は電機メーカーに勤めていたが、趣味だった山登りに「時間が割けない」と転職を決意。なんとなく受けてみた大学の講義で人と人を結ぶ「教育の魅力」に目覚めた。すぐさま通信教育で教員免許を取り、誘いのあった養護学校の教員に。そこで出会った障がいのある子どもたちの創造力に衝撃を受けたという。「ぬいぐるみを作っている時に、『海のぬいぐるみ』を作ろうとした子がいた時は驚かされました。彼らは私たちの予想を超えた素敵な発想をプレゼントしてくれる」と微笑む。
○…30年前に富士山の滑落事故に巻き込まれ両足を骨折して以来山登りは断念しているが、今はぷかぷかのメンバーといる時間が登山より大きな喜びをくれる。今後はそうした魅力を様々なイベントで地域に伝えていきたいと考えている。「これからもたくさんの予想外を期待している」と父親のような温かいまなざしでメンバーを見つめた。
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