4月から緑図書館長に着任した 渡辺 政一さん 長津田在住 58歳
「通いたくなる図書館に」
○…「おそらく現役最後となる職場が地元の図書館になったことを嬉しく思う」と目を細める。公務員として様々な役職を歴任してきたが、ほぼ全ての仕事が管理部門だった。区民と身近に接することができる館長という仕事はやりがいがあると並々ならぬ意欲を見せる。「利用者に常に見られる緊張感はあるが、笑顔を絶やさず取り組みたいです」
○…館長として、区民誰もが本に親しみを持てる環境作りに挑戦する。最大の課題は「若者の本離れ」。「市内の図書館では、13歳から20歳の利用者が一番少ないんです」と肩を落とす。若者が本に触れるきっかけとして、夏休みに司書の仕事を体験する「中高生ボランティア」を企画中。「職業体験と本の楽しさをまとめて知ることができる機会なので、しっかり計画したい」と熱い思いを話す。さらに、昨年開館20周年という機会に築いたネットワークを生かして地域とより密接な連携も図っていく。
○…10歳の時に緑区に引っ越してきた。「緑区の夜空は星が降ってくるように見えた」と振り返る。子どもの頃は自然の中を走り回ることが好きだったが、高校生の時に読んだ夏目漱石が転機となった。「どの本だったかは覚えてないが、漱石のきめ細かい人物描写にどんどん引き込まれていった」。その後はクラシック音楽を聴きながら漱石の本を読みふけった。「半分は格好つけだった」と頬を赤らめるが、そこから本の魅力にはまり、今も自室は本で溢れている。今までは通勤時間しか読書に時間を割けないので、返却期限のある図書館は利用していなかったが「館長としてこれからは借りる派を目指します」
○…今後は本を貸し出すだけでなく、展示や読み聞かせのイベントにも力を入れ「来たくなる図書館作り」を進めていく。「私は普段テレビをよく見ているのですが、本はテレビにない”映像を想像させる魅力”がある。それを伝えていきたい」と意気込みを語った。
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