全国特別支援学校長会の「みんな de スポーツ推進委員会委員長」を務める 巴(ともえ) 伸一さん 東本郷在勤 60歳
”支えあい”大切に
○…「最初は不安が大きかったが、今はやりたいことへの思いでいっぱい」と目を輝かせる。3年後に迫った東京五輪を機に、障がい者スポーツの輪を広めようと、委員長として全国を飛び回る日々。スポーツを「やる・みる」だけではなく、ボランティアや指導員など「支える」という視点をどうやったら持ってもらえるか思索を巡らせている。「みんなで手を取り合ってスポーツを楽しんでもらいたい」
○…目下取り組んでいく課題はパラスポーツの「実施率の低さ」の改善。気軽に楽しめる競技も多数あるが、サポートする環境が整備されていないため、実際の競技者はかなり少ないという。そうした状況の改善のため、昨年には全国1300以上の特別支援学校にアンケートを実施し、指導員やボランティア不足などの問題点を抽出した。「9割以上が回答してくれた。それぞれが抱える課題に真摯に向き合いたい」
○…普段は「県立みどり養護学校」の校長として教育に励んでいる。「この学校は新卒で最初に着任した学校なので、生徒への思いもひとしお。当時とは立場も違うけど、生徒を思う気持ちは変わりません」と目を細める。心がけているのは「元気な挨拶」。学校で過ごす一日を素敵なものにしてもらおうと、毎日登下校時には校門に立って、誰に対しても笑顔で挨拶をしている。教員とのコミュニケ―ションも大切にしており、中途で着任した教師とは「途中会」を開催し、交流を深める。「先日、サプライズで還暦祝いをしてもらった。この素敵な学校で生徒、教員誰もが素晴らしい日々を送ってほしい」と穏やかな笑みを浮かべる。
○…「東京五輪はゴールではない」と語気を強める。スポーツを通して障がいへの理解を深めてもらい、終了後も障がい者と健常者が手を取り合っていける社会を目指していく。「共に汗を流すことで、心の深いところで通じ合ってほしい」と笑顔で語った。
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