パソボラ緑の代表を務める 清家 健志さん 青砥町在住 67歳
機械いじりに情熱注ぐ
○…金銭的な理由からパソコンを所有できない若い世代がいることを知り、衝撃を受けた。「操作ができないことで就職に不利になったり、日頃から情報収集ができずに学力の低下を招くのではないか」。そんな問題意識から各地で不要となったパソコンを修理して無償で提供する団体「パソボラ緑」を立ち上げた。修理されたパソコンは、今後、日本シングルマザー支援協会などを通じて、寄付される予定だという。まだ寄付の事例はないが、実現に向けて仲間と奔走する日々を送っている。
○…愛媛県生まれ。「中はどうなっているのかな」と目覚まし時計を分解して壊してしまう小学生時代。だが、何度も分解を繰り返すうちに、いつしか構造を理解していった。中学生になると、分解後、元に戻すことができるように。ごみ捨て場から拾ってきたラジオを修理し、音が鳴った瞬間の感動は今も鮮明に記憶に残る。
○…大学で工学部へ進学後、総合電機メーカーで約40年間勤め上げた。定年後、時間ができたので、介護施設の送迎ドライバーの仕事に就いた。だが、送迎先などをまとめた表は手作業で作られていたため、誤りが多かった。効率的に自動で表が作成されるシステムを構築してしまうと、いつしか、業務効率化を担う職種を任された。「効率的な仕組みで残業しなくてよくなった」と感謝の声は数えきれないほどだ。
○…とことん一つのことに没頭する“機械いじり大好き少年”は今も変わらず。パソコンを無償提供する仕組みを構築することで、若い世代の未来を広げてあげたいと切に願っている。だが、その先もある。「自分で若い世代にものづくりの楽しさを伝えたいですね」。そんな夢を語る眼差しは、ラジオを覗き込んでいた情熱的な少年時代を連想させた。
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