「KSHS キチンと手術・ホンネで再建の会」の代表理事を務める 溝口 綾子さん 霧が丘在住 59歳
いつも明るく前を向く
○…「まさか、自分が」。乳がんが発覚したのは、45歳の時だ。「自分で納得して決めないと、絶対に後悔する」と自ら医療機関を選択し、治療に励んだ。乳房の再建術も行った。「命だけが助かれば良いというわけではない。胸は女性のアイデンティティ。再建も含めて、治療計画を立てた」と振り返った。そんな自身の経験をもとに、様々な情報発信や、明るく乳がんと向き合うためのセミナーなどを幅広く開催中だ。「一人でも多くの人に前を向いてほしい」と笑った。
○…港北区生まれ。専門学校卒業後、歯科衛生士の道へ。モットーは患者とのコミュニケーションを大切にすること。そんな姿勢もあってか、感謝の言葉をもらうことは多い。それが大きなやりがいにつながり、気が付けばこの道約40年の大ベテランだ。
○…乳がんの闘病中も仕事は継続。「治療費のこともあったけど」と言うが、「職場の方々のさりげないサポートにとても感謝しています」とにこり。「がんであっても、働ける社会が理想。社会の一員であり続けられたことで、気持ち的に病人とならずにいられた」と自身の体験を話した。この頃、感動することにエネルギーをもらおうと見に行ったのは、宝塚歌劇団の観劇だった。「辛い思いも見ると解消される。いつも背中を押してもらっていますね」
○…毎年、開催するセミナーでは、約500人の前であいさつに立ったことも。「乳がんを患った”おかげ”で、多くの人に出会い、貴重な体験にも恵まれた」と前向きに考えている。だが今は、コロナ禍で検診に行くことを控える人が多くいることに危機感も募らせる。「早期発見することで、治療の選択肢は格段に増えるから」
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