歴史講演会「近世後期の庶民文化〜長津田界隈の美の世界 華やかな花道グループ〜」が9月28日に長津田地区センターで開催され、約40人が参加した。
講師を務めたのは郷土史家で、本紙でも『緑区域の歴史をつむぐ』を連載中の相澤雅雄氏。
多摩郡関戸村(現在の多摩市関戸)の名主である相澤伴主が創始した花道の流派「允中流」。多摩市や町田市だけでなく、青葉区の恩田町や田奈などにも多くの門弟がいたとされる。相澤氏はその允中流がどのように始まり、どのように横浜まで広がりを見せたのか、また盛衰に至るまで、自身が集めた資料をもとに解説を行った。
文化文政時代には俳諧が一般庶民にも広く普及し、農民にも俳諧や花道が広がっていったが、一方で農民には学芸は不要であるといった論があったことなども補足。「長年にわたり、長津田宿を中心として文芸活動が農民によって盛んに行われていたことが当時の史料から読み取れる。ただし多くは上層農民で一般農民までは別世界だったかもしれない」と話した。
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