市立三保小学校(和泉良司校長)の5年生の児童らが、自ら育てた米で団子を作る授業に臨んだ。地元農家や商店の協力で、生産から加工までを体験する特別授業が実現。児童らは食の大切さや農業について学んだ。
「くず米」を活用
三保小では5年生の総合学習で、児童らが米作りに取り組んでいる。地元農家・岩澤孝志さんの協力で田植えから収穫までを体験し、毎年100kg前後の米を収穫しているが、長雨などの天候不順に見舞われた今年度は、うまく生育しなかった「くず米」が発生していた。同校で5年生を担当する池田真弓教諭は、この「くず米」をうまく活用できないかと模索していたという。
地元菓子店が協力
学校からほどなくの場所にある菓子店「はるいろ」の店主・熊谷千春さんがこれに協力し、自社にある製粉機で「くず米」を米粉に加工。約8kgを製粉してくれたことから、「米粉団子づくり」の授業が実現した。総合学習から派生し、家庭科も組み合わせたいわば「コラボ授業」は同校でも初めての取り組み。
「食の大切さ学んで」
児童らは製粉された米粉を丁寧にこね、一口大の団子を作った。ゆであがった団子はきな粉や餡子を付けて食された。
団子作りに参加した蛇川輝吉くんは「団子からお米の味を感じ、いつもと違うなと思った。米は毎日食べているけれど、自分で栽培して収穫して団子にするのは大変だった。農家や協力してくださった方に感謝したい」と感想を述べた。
池田教諭は「こうした経験をきっかけに、食のありがたみや地域の方々に対する感謝の気持ちを感じてくれれば。食べ物の無駄をできるだけなくしていこうという思いも、子どもたちの心に芽生えたのではないかと思う」と授業を振り返った。
食に携わる者として、一般向けに料理教室を開くなど、菓子販売の枠を越えた取り組みを展開しているという熊谷さんは「子どもたちに食の大切さが伝えられたのではないかと思う」と話した。
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