区内・日吉本町在住の絵本作家・植垣歩子さん。最新作の『さくらのさくらちゃん』が今月発売されるなど活躍中だ
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植垣さんが小学6年生のとき、父親の友人が書いた物語に、サインペンで絵を描いた作品が入賞し、出版されたのが最初の”絵本作家”としてのデビュー。高校時代は小学生を対象にした新聞に連載でイラストの掲載を依頼されるなど、ずっと絵にかかわってきた。大学では日本画を専攻した。卒業後、当初は働きながら日本画家を目指すつもりだったという。自作を出版社に送る日々が続くなか、少しずつ気持ちが変化し、子どもの頃の夢だった絵本作家になりたいという思いが固まっていった。
2002年、絵本のコンペで入賞。応募した作品はそのときに勤めていた介護施設で出会ったお年寄りからヒントを得たお話。審査委員を務めていた編集者が企画していた絵本も偶然お年寄りのお話であったことから、白羽の矢が立ち、絵本作家としての道を歩みだすことになった。
葉や草も丁寧に
植垣さんの絵には独特の温かみがある。ペンや絵の具などの画材は作品によって異なるが、葉や草の一つひとつまで丁寧に細部まで描きあげる。「大人になっても、小さいときに好きだった絵本を見ると、そのときの気持ちが蘇ることがあると思います。それが絵本のすごいところ」と目を細める。
だからこそ妥協はしないという。「子どもは絵をよく見ています。たとえば、服装が前のページと少しでも違ってはいけませんし、もちろん、季節に会わない植物があってもNGです。細部であっても正確に合わせます。子どもは絵を見て楽しむのだから、その期待に沿いたい」。
自身で絵本のストーリーを考えることも。「好きな題材を元に考えるんですが、なかなか書けません。絵の方は手が自然と描いてくれるんですけど」と笑う。何度も企画を練り直して1冊の絵本が仕上がるまでに、4年かかったこともあるという。
休日は、動物園や植物園にスケッチをしに行くことも多い。区内では松の川緑道で植物を観察することも。「家にいると仕事ばかりしてしまうので、できるだけ日々の生活を大切にしたい」と話す。最近では姪と遊ぶのが楽しみで、姪のためのオリジナルの絵本も描くという。
小さい頃に自分で描いた絵を見ると、今も純粋に楽しんで描いていた頃を思い出す。「それが、自分にしか描けない絵を描くことにつながるんだと思います」力強く語った。
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