神奈川県内のひったくり発生件数が、今年1月から5月22日現在で710件に達し、2位の東京都(703件)を上回り全国ワースト1位となった。神奈川県警は、県内でも件数がトップ(4月末現在)の港北署を、4月1日からひったくり対策のモデル署に指定し、取り組みを強化している。
今年3月末で445件(東京455件)、4月末で620件(東京624件)と推移してきた中で、ついに全国最多の被害件数となった神奈川県。
港北署管内は、4月末時点で県内トップの47件を記録。県警は、【1】ひったくりの発生件数が多い【2】通勤通学や帰宅の途中に被害が多いことから、管内に多くの駅がある【3】防犯指導員などのボランティア体制が整っている―などの理由から、港北署を4月1日からひったくり対策モデル署に指定した。区内でも特に被害の多い大倉山・綱島・新横浜駅周辺が重点エリアになっている。
注意喚起に重点
先月23日には、港北署でひったくり防止パトロールの出陣式を実施。区内の防犯ボランティア団体が参加し、注意を呼びかけた。
駅前などでは、注意喚起のチラシ配布や声かけを行っている。時間帯を幅広く設定し、これまで少なかった夜間帯の活動も増やした。大倉山商店街では、商業放送を使って通行者に注意を促している。
港北区役所では、港北AAAの取り組みとして6月をひったくり防犯強化月間と位置づけ、これまで週1回だった青色パトロール車での巡回を週2回に増やした。来月以降も引き続き実施できるよう検討中だ。
被害の9割は女性
港北署管内では、今年2月に9件、3月19件、4月に12件発生し、今年1〜4月の発生件数は、昨年同時期比で12件増えた。しかし、4・5月に行ってきた取り組みが奏功してか、5月には件数自体は4件発生したものの、増加の勢いは収まってきている。
同署生活安全課の熊崎豊課長は「犯行の手段は、バイクを使って2人乗りで手荷物を盗む事件がほとんど。自転車のかごに防犯ネットをつけたり、歩行中は歩道側にカバンを持つなど、一人ひとりが気をつけてほしい」と呼びかける。
港北署管内の今年1〜4月のデータでは、被害の多い時間帯は18時〜23時が全体の約半数を占めている。被害者の87%は女性で、発生時の状況は、66%が歩行時に車道側に持っていた荷物が盗まれ、34%が自転車のかごに入れていた荷物が盗られたという結果になっている。
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