自身も体験した第二次世界大戦の研究を続ける 小野 静江さん 神奈川区在住 82歳
未来のため義務を果たす
○…1945年5月29日の横浜大空襲の時、女学校のあった中区から太尾町(現・大倉山)の自宅に電車に乗って帰る途中、爆撃の音を聞いて飛び降りた。変わり果てていく町並み。逃げ回る人たち。茫然とその場に立ち尽くすしかなかった。たまたま居合わせた青年に助けてもらい一命を取り留めた。しかし、この空襲以来、親友2人とは会っていない。自ら経験した戦争について、研究、発表を長年にわたり続けている。「あの時、私は13歳でした。活動の原動力は戦争に対する怖さだけでなく怒りが強い」と語る。
○…長女を出産後、「戦争体験をこのまま忘れてはいけない。同じ思いを子どもたちにさせてはいけない」との考えから、体験記を書いたのが、戦争の研究をはじめたきっかけ。約40年前に「横浜の空襲と戦災」の出版を市が計画した際、体験記を編集室に送った。そこから声をかけられ、同本の編集に関わることに。一昨年には港北区の戦争の被害を辿った本も作った。「自分の生まれた港北区の調査をしない限りやめられないと思ったんです」と明るい口調ながらも強い意志を感じさせる。
○…先日、東日本大震災の被災地に赴いた。「一瞬にして町並みが変わってしまった”被災”を受けた場所。空襲と通じるものがあると思いました」。3年経った今も残る様々な傷跡、その一方でひしひしと伝わる被災者たちの優しさ。「実際に足を運ばないとわからないものがあります」。想像だけでは足りなかったものがそこにはあった。
○…「これからも勉強していかなければなりません」。40年以上戦争について調べてきた今でも、新しい発見が多い。「戦争も実際に見なくてはわからない。うまく伝えられないことも多い。しかし、人の話に謙虚に耳を傾け、知ろうとする。これが生き残った者の義務だと思います」。これからも多くの人の声に耳を傾け、多くの人に届くように伝え続けていく。
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