県政報告155 「女性が活躍」する社会に 県議会議員かながわ民進党県議団 はかりや珠江
「言うまいと思えど今日の暑さかな」―暑い夏の熱い参議院議員選挙が終わりました。私たちの将来に大きな影響のある選挙であり、選挙年齢が18歳になって初めての国政選挙でもありましたが、投票率はそれほど伸びませんでした。今後を注視する必要があります。
日本で女性参政権が認められ、初の女性代議士が誕生したのは、昭和21年(1946年)。この年公布された日本国憲法に「男女平等」が明文化されました。今年は女性が有権者となって70年の節目。今回は「女性の活躍」を取り上げます。
*女性施策のあゆみ
神奈川は女性施策に先進的に取り組んできた県の一つです。昭和57年(1982年)を「かながわ女性元年」と位置づけ、県の女性施策を計画的に進めるため「女性プラン」を策定。県内の女性団体等と協力しながら、女性の地位向上活動を推進してきました。また女性の活動を支え、相談を受ける「婦人総合センター(現在の男女共同参画センター)」も全国に先駆けて設置。国で「男女雇用機会均等法」が公布されたのが昭和60年ですから、神奈川の取り組みがいかに早かったかがわかります。
*男女共同参画推進条例
女性の社会進出がすすむにつれ、育児や介護休業などの法整備も進み、平成11年(1999年)には「男女共同参画社会基本法」が、同14年(2002年)には、県男女共同参画推進条例が公布・施行されました。条例の理念をもとに、翌年「かながわ男女共同参画プラン」が策定され、「女性と男性がお互いを尊重し、個性と能力を発揮できる社会」の実現をめざし施策が進められています。今年度は、30年度にスタートさせる新プランに活かせるよう、これまでの取り組みを点検すると共に、新たな課題の整理を行う大切な年です。
*М字カーブの谷
「女性の職業生活における活躍の推進」を謳った「女性活躍推進法」ができました。実態はどうでしょうか。
働く女性の率を年齢階級別にみると、29歳までは約8割であるのに対し、30代では約7割に減り、40代後半からまた回復する明らかな「М字カーブ」が見られます。神奈川ではこのМ字の谷が深く、全国ワースト1位という状況。欧米諸国では見られない現象です。日本は依然として結婚・出産・子育ての時期に仕事を中断する女性が多く、再就職が困難な状況です。
また働く女性の割合を就業者全体と管理職で国際比較すると、就業者全体では、各国とも4割から5割であるのに対し、管理職では日本と韓国が約1割程度と圧倒的に低い状態です。
*活躍のための環境づくり
仕事と育児や介護が両立できる環境を作るために、どのような取り組みが必要でしょうか。
県では「イクボス宣言」を実施。制度はあっても、活用できない職場の空気を管理職が率先して改善し、両立を可能にしようという取り組みを始めました。
また神奈川にゆかりのある10企業のトップリーダーによる「かながわ女性の活躍応援団」もできました。「女性が個性と能力を発揮することが社会の活性化につながる」というメッセージを発信し、男性リーダー自身が女性の活躍を経営課題としてとらえ、他の経営者の意識改革につなげようというもの。都道府県では神奈川が初となり、成果が期待されています。
女性が開発に関わった商品を「なでしこブランド」として認定する事業も実施しています。
このように県では、モデルとなる取り組みを始めていますが、社会全体に広げていくためには時間がかかります。社会の様々な場面で「男女共同参画」の考え方は浸透してきたように思いますが、教育を含め、さらに多面的な取り組みが必要です。女性の就業支援や継続のためのサポート、スキルアップセミナーなど、今後もニーズをしっかりと捉え、効果的な事業に結びつけていきたいと思います。また後を絶たないセクハラや異性への暴力行為などの根絶も重要な課題です。
*地域の担い手として
女性活躍の場面は、職業として仕事をすることだけではありません。地域や身近な課題を解決する場面でも、情報交換や知恵を出し合ってユニークな活動をしているグループが増えています。「こんなことができるといいね」を、自分たちで実現していくパワフルな女性たち。県ではそうしたボランタリー活動を支援する取り組みも進めています。
*一人で悩まないで
私自身、3人の息子を育てながら仕事をしてきました。子どもの成長に伴って悩みも変わり、最近では介護も加わってきました。乗り越えられたのは、支えてくれる人がいたから。
今、社会が寛容さを失っている気がしてなりません。不安や問題を抱える高齢者世帯や子育て家庭を見守り、支え、必要な支援につなげていく地域力も大切。誰かの応援団になって笑顔になれるまで寄り添うこと。「ほんとの笑顔をふやしたい」という想いを形にできるよう、活動を続けます。
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