新横浜駅周辺混乱防止対策連絡協議会は3月3日、新横浜駅とその周辺一帯で災害時の帰宅困難者を想定した対策訓練を行った。同会所属の約30団体、約300人が参加。2019年のラグビーワールドカップや翌年の東京五輪開催時、外国人観光客が多く来訪することを考慮し、外国人の対応にも重点を置いた。
当日は、午前10時に市内最大震度6弱、区内震度5強の地震が発生し、鉄道運休のため駅周辺に多数の帰宅困難者が滞留していることを想定した。まずは駅前広場で鉄道の運行情報と一時滞在施設をアナウンス。今年は翻訳機を取り入れ、英語、中国語、韓国語にも対応した。
今回は新横浜駅周辺にある14の一時滞在施設のうち、横浜アリーナ、新横浜プリンスホテル、新横浜グレイスホテル、横浜医療情報専門学校の4施設を使用。「焦らずゆっくり歩いてください」と声をかけながら、プラカードを持ったスタッフが帰宅困難者を各施設へ誘導した。
実際に震災が起こった際には、まず一時滞在施設で一日過ごす。14施設で約5000人の受け入れが可能。翌日以降は帰宅が困難な人のみ横浜アリーナで待機することができる。
3・11時帰宅困難者は3千人
東日本大震災発生時、同駅周辺の公的施設では約3400人の帰宅困難者を受け入れた。これを教訓とし、2012年3月に新横浜周辺の企業、町内会、行政機関などが同協議会を発足させ、帰宅困難者対策訓練を始めた。過去3回訓練に参加したという、テュフラインランドジャパン株式会社の防災担当、S・シュタークさんは、「外国人は地震の経験が初めての人がほとんどなので、母国語が通じない国となると余計にパニックに陥ると思います。今後はより多くの言語が通じるようになれば」と話す。
防災用品も完備
大豆戸町にある防災備蓄庫には、備蓄品としてアルミブランケットやトイレパック、ランタン、ラジオ、水缶、ビスケットなどが完備されている。誘導訓練の後にはこれらの紹介も行われた。小野崎信之副区長は「事業所や団体ごとの訓練・備蓄が大切。”自助・共助”を意識し、ともに災害に備えていきたい」と話した。
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