県政報告178 大切なものを大切にする社会へ 県議会議員かながわ民進党県議団 はかりや珠江(たまえ)
去年(こぞ)今年
貫く棒のごときもの
これは長く鎌倉に住んだ俳人高浜虚子の俳句です。
いろいろな解釈があると思いますが、私は「時の移ろいや社会の急速な変化の中にあっても揺るがないものを持ち、守るべきものはしっかり守ろう」というメッセージのように感じます。
今年は「戌年」。収穫の後の「守りの年」とも言われています。平穏な暮らしの礎となる「平和」や「人権」「地球環境」なども多くの人の努力なしには守っていかれません。
空気のように「あるのが当たり前」と思い込んで、「なくてはならないもの」を粗末にしてはいないでしょうか。大切なものを大切にする社会であってほしいと願う新年です。
*「核なき世界」を
昨年は北朝鮮のミサイル発射に脅かされた1年でした。一方、国連総会ではすべての核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」が122か国の賛成で採択され、これに貢献した国際NGO「ICAN」がノーベル平和賞を受賞しました。被爆者で「ICAN」と共に活動してきたサーロー節子さんは、授賞式で「条約採択を核兵器の終わりの始まりにしよう」と訴え、大きな反響を呼びました。アメリカの「核の傘下」にある日本は、「核兵器禁止条約」の交渉には参加しませんでしたが、唯一の被爆国である日本の役割は大変大きく、今後の動向が世界から注目されています。
神奈川は「日本非核宣言自治体協議会」に加盟する唯一の都道府県であり、県議会では昭和59年に「非核兵器県宣言」を、最近では戦後70年に当たる2015年に「核兵器廃絶・世界平和の取組の充実を求める決議」を行っています。
「非核平和」を県是とする神奈川は、他の加盟自治体とも連携して、「核なき世界」の実現に向けてさらに発信を強めていく必要があるように思います。
*誰も置き去りにしない
国連は2015年に、2030年までの未来に向けた国際目標「SDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)」を採択しました。地球温暖化等の「環境課題」と「貧困の解消」を柱に、17の目標を掲げ、それらを世界共通の社会問題として、国や地域が連携して解決に向け行動しようというものです。世界の問題は複雑に影響しあっています。しかし日常生活ではそれを想像することさえ困難かもしれません。
神奈川は20年以上前から「地球市民」という考え方の下、地球に住む仲間として世界に目を向け、多様性を認め合う意識を醸成することに力を注いできました。しかし現実には「ヘイトスピーチ」や「津久井やまゆり園事件」に見られるように、差別や偏見は社会に根強く残っています。
「SDGs」では、誰も置き去りにしないことを、キーメッセージとしています。これは「ともに生きる社会」を目指す神奈川とも方向性を一にするものです。「誰も置き去りにしない社会」への道のりは遠く険しいものかもしれませんが、県も世界と課題認識を共有し、足元にある課題に向き合う姿勢を持つことが重要ではないかと思います。
県が掲げる「地球市民意識」は、宇宙船「地球号」の乗組員=運命共同体として、なすべきことを考えるということのように思います。
*神奈川の抱える課題
2019ラグビーW杯や2020東京五輪は、神奈川のスポーツや文化の振興、物心両面のバリアフリーを促進させるだけでなく、観光や国際交流もさらに活性化するものと期待が寄せられています。
一方で他の自治体以上に少子高齢化が急速に進み、医療・介護・社会保障などの経費が増加することや、老朽化した施設の整備、災害やテロ対策、産業振興など大きな財政負担も避けられません。
加えて次代を担う子ども・青少年の自立や、困難を抱えた子どもや子育て家庭への支援も重要です。
2月9日からは30年度の予算等を審議する第1回定例会が開催されますが、決算審査をもとに、施策・事業のムダをなくし、効果的・効率的に仕事を進められるよう、チェックしていきたいと思います。
新しい年も、県民の皆様のお声に耳を傾けながら、笑顔の広がる社会を目指して努力を重ねて参ります。
平成30年が、健康で実りあるものとなるようお祈り申し上げます。
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